普段お湯を使っている方にとって「お湯が出ない」「水は出る」などは避けたいものです。
そこで本記事では、給湯器を使ううえで考えられる原因や対処法を紹介します。
また、緊急時でも確認すれば解決できる可能性がある蛇口やリモコンなど、何を見ればいいのか取り上げます。
できれば自分で解決したい方は、一度本記事で紹介するポイントを参考にしてください。
給湯器からお湯が出ないで水は出る原因と対処法
給湯器からお湯は出るのに水は出る原因は、次の点が挙げられます。
- エラーコードからわかる症状
- 温度設定
- 台風や地震による被害
- 凍結
- 落雷
- 給湯器の故障
順番に対処法も踏まえて解説していきます。
1.エラーコードからわかる症状
給湯器のリモコンに「111」「112」などのエラーコードが表示されている場合、水は出るのにお湯が出ない症状になる可能性があります。
今回一例で挙げたエラーコードの「111」「112」は、給湯器本体の不具合を知らせる表示です。
多くの場合、エラーコードごとの対処法は給湯器の取扱説明書に記載されています。
たとえば「111」「112」などのエラーコードは、リモコンのリセットで解決できる可能性があります。
エラーコードが表示された場合、焦らず取扱説明書や給湯器メーカーの公式サイトを確認しましょう。
2.温度設定
温度設定が低かったり出しているお湯の量が少なかったりすると、水は出るのにお湯が出ない状態になります。
給湯器のリモコンで設定する温度を上げれば、解決できる可能性があります。
しかし、給湯器ではなく水栓や配管のトラブルがあった場合は注意が必要です。
給湯器の温度設定を上げても解決しない方は、一度水栓の点検をしてもらうのもおすすめです。
3.台風や地震による被害
台風や地震のような自然災害が発生した場合、お湯が出ないのに水は出るようになります。
なぜなら、ガスメーターが強い衝撃を感知し、ガスを遮断するシステムが作動するからです。
台風や地震のような自然災害が発生した直後は、給湯器ではなくガスメーターを確認しましょう。
4.凍結
凍結が原因で給湯器からお湯が出ないのにお湯が出る状態は、寒冷地ではなく比較的暖かい地域で発生する症状です。
なぜなら、寒冷地の給湯器は凍結予防が十分に施されているからです。
また、給湯配管が剥き出しになっている場合、凍結の予防をしていても凍結する恐れがあります。
たとえば寒い時期の朝、お湯を使おうと思っても水しか出ない場合、昼頃まで待たなければいけません。
すぐにお湯を使いたいからと、配管に熱湯をかけてしまうと、水漏れや配管の破損などが起こるので注意が必要です。
凍結した配管にタオルを巻き、巻いたタオルにぬるま湯をかけるのがおすすめです。
5.落雷
雷雨や落雷などが原因で停電が発生した場合、水は出るのにお湯が出ない状態になります。
なぜなら、給湯器本体の電源が落ちてしまっている可能性があるからです。
給湯器本体で漏電が発生している可能性があるので、給湯器のコンセントを抜き差しすれば解決する場合があります。
それでも解決しないなら、給湯器本体の故障も考えられるので、一度専門業者に修理や交換を依頼しましょう。
6.給湯器の故障
給湯器の故障により、水は出るのにお湯が出ない場合があります。
そもそも給湯器の寿命は、10年程度と言われています。
つまり、ここまで紹介した状況以外で水は出るのにお湯が出ない状態になっている場合、給湯器の経年劣化が原因です。
- お湯がなかなか出ない
- 給湯器から異音がする
- 給湯器から水漏れが発生した
- 給湯器にサビが発生した
上記のような症状があった場合、給湯器の経年劣化による故障を疑い、専門業者へ修理や交換を依頼しましょう。
給湯器からお湯が出ないで水は出る状態で確認しておきたい場所
給湯器からお湯が出ないで水は出る状態で確認しておきたい場所は、次の通りです。
- 蛇口
- リモコン
- コンセント
- ブレーカー
- 水抜き栓フィルター
- ガスメーター
- ガス栓
- プロパンガスのガス切れ
- 給湯器の稼働年数
修理や交換してくれる業者を呼ぶべきか判断できるので、参考にしてください。
1.蛇口
蛇口をひねって水は出るのにお湯が出ない場合、「一部の蛇口」なのか「すべての蛇口」なのかで対応が異なります。
まず、一部の蛇口からお湯が出ないのに水は出る場合、給湯器ではなく蛇口の故障が考えられます。
「台所の蛇口から水は出るのにお湯が出ない」と感じた場合、洗面所や浴室の蛇口でお湯が出るか確認しましょう。
次にすべての蛇口でお湯が出ないのに水は出る場合、給湯器本体での異常が考えられます。
具体的には、水抜き栓のフィルターにゴミが詰まってしまい、お湯が出ない症状が発生するのです。
水抜き栓(ストレーナ)の掃除が必要なので、取扱説明書をしっかり確認したうえで、ゴミを取り除きましょう。
参考:Rinnai「ガス瞬間湯沸器|水フィルタのお掃除の仕方を教えてください」
2.リモコン
台所や浴室に取り付けられた給湯器のリモコンが電源切れになっていると、水は出るのにお湯が出ない状態になります。
そもそもリモコンの電源がついていないと、給湯器がお湯を出るように作動しません。
一方で給湯器のリモコンをつけてもお湯が出ない場合、給湯器のリモコンが故障しているか配線に異常が発生している可能性があります。
つまり、給湯器のリモコンが付いているにもかかわらず、水は出るのにお湯が出ない場合、まずは給湯器本体の異常を疑いましょう。
3.コンセント
前述で紹介した給湯器のリモコンをつけても解決しなかった際に注目したい場所です。
コンセントが抜けていると、給湯器本体が作動しません。
給湯器本体の電源プラグがコンセントから抜けている場合、コンセントに差し込めばお湯が出るようになる可能性があります。
また、コンセントに差し込んだだけでは、何かの拍子に電源プラグが抜けてしまう恐れがあります。
給湯器を使っているタイミングで電源プラグが抜けてしまうと、点火しなかったり失火したりするので注意が必要です。
そこで最近では、コンセントから抜け落ちないよう、「抜け止め型コンセント」が設置されている場合もあります。
コンセントに差し込んだ電源プラグが抜け落ちないよう、ロックできるものもあるので、一度給湯器の近くに設置してある差し込み口を確認してみましょう。
4.ブレーカー
給湯器を使うタイミングで、他にも大量の電気を消費すると、ブレーカーが落ちてしまう可能性があります。
そもそも給湯器は電気も消費しているので、ブレーカーが落ちると水は出るのにお湯が出る状態になります。
また、前述で紹介したように台風や地震などの自然災害が発生した場合も関係しているのです。
給湯器に搭載された安全装置が作動し、ブレーカーを落とす仕組みです。
何よりブレーカーが落ちている背景には「給湯器の使用に適していないタイミング」の可能性があります。
安全装置が作動するのは、自然災害が関係しているので、まずは落ち着くまで待ちましょう。
そして、身の回りの安全をしっかり確認したうえで、電源を入れ直したらお湯が出ない状態を解決できる可能性があります。
5.水抜き栓フィルター
前述で紹介したように、水抜き栓フィルターにゴミが詰まっていると、水は出るのにお湯が出ない状態になります。
つまり、水圧不足が原因になり給水栓から出るお湯が減るので、すべての蛇口からお湯が出なくなるのです。
水抜き栓フィルターの掃除方法は取扱説明書に記載されていますが、参考までに対処法を紹介します。
- 給湯器の元栓を閉める
- 台所や洗面所などの給水栓をすべて開ける
- 水抜き栓フィルターを外す(お湯が出る場合があるのでご注意ください)
- 外した水抜き栓フィルターを歯ブラシなどを使ってこすって洗い流す
- 洗った水抜き栓フィルターを元に戻す
- 開けた給水栓をすべて閉める
- 給湯器の元栓を開けて水漏れの有無を確認する
水抜き栓フィルターを掃除する際、給湯器を使った直後は本体が高温になっているので、時間を置いてから対応しましょう。
6.ガスメーター
ガスメーター側でガスの供給を自動で遮断するシステムが作動した場合、水は出るのにお湯が出ない状態になります。
前述で紹介したような自然災害はもちろん、ガス機器の長時間使用でも作動します。
たとえばプロパンガスの場合、ガスメーターの液晶画面に注目しましょう。
「ガス止め」と表示されているか、組み合わせるようにA〜Cのアルファベットを表示して知らせます。
一方で都市ガスの場合、ガスメーターの上部のランプが赤く点滅します。
プロパンガスの液晶画面では、アルファベットで症状を知らせますが、都市ガスではランプの点滅パターンで見分けるのです。
ガス漏れを知らせている可能性もあるので、心配に感じる方はガス会社に問い合わせて対処法を確認しましょう。
7.ガス栓
ガスの元栓が閉まっていると、給湯器からの熱が作り出せないので、結果的に水は出るのにお湯が出ない状態になります。
たとえば、マンションやアパートなど、賃貸住宅に引っ越した直後で考えられます。
また、長期不在前にガスの元栓を閉めた場合の開け忘れでも、ガスの元栓が開いていないなら、お湯は出ません。
多くの場合、都市ガスなら給湯器のガス配管側にあり、プロパンガスならガスボンベの近くに取り付けられています。
まずは給湯器の取扱説明書に記載された「ガス元栓」の位置を確認しておきましょう。
8.プロパンガスのガス切れ
プロパンガスを契約している家庭の場合、ガス残量の不足が原因になり、お湯が出なくなっている可能性があります。
たとえば、プロパンガスの交換日前は特に注意が必要です。
プロパンガスの残量が不足している傾向にあるので、結果として給湯器にガスが供給されず、お湯が出ないで水は出る状態になります。
また、プロパンガスの残量が少なくなると、いつもよりガス臭さが増すので、残量不足が考えられます。
しかし、プロパンガスは事前に使用量を考えたうえで設置しているのです。
プロパンガスのガス切れが原因で、お湯が出なくなるのは基本的に考えにくいでしょう。
つまり、世帯数の増加からガスの使用量が多くなる場合、プロパンガスのボンベを交換する前にガス切れになる可能性が高まるのです。
9.給湯器の稼働年数
給湯器の稼働年数が長いと、配管の劣化が原因になり、結果として水漏れやお湯が出ない状態が考えられます。
1つの目安として、給湯器の稼働年数が10年以上経過している場合は注意が必要です。
給湯器全体で経年劣化が起きているので、修理ではなく交換を検討しなければいけません。
一方で、給湯器本体ではなく「給湯配管」の劣化だった場合、修理で済む可能性もあります。
給湯器を設置してからの稼働年数が10年未満で給湯配管から水漏れしていたら、一度専門業者に修理依頼するのがおすすめです。
給湯器からお湯が出ないで水は出る際によくある質問
ここからは、給湯器を利用していて水は出るのにお湯が出ない状態でよくある質問を取り上げます。
今回紹介するのは、次の3つです。
- 水も出ない場合どうすればいいの?
- お湯を出す代替方法はないの?
- 自分でできる予防策はあるの?
順番に回答しながら解説していきます。
1.水も出ない場合どうすればいいの?
給湯器を使おうと思って、お湯が出ないどころか水も出ない場合、断水や止水が考えられます。
蛇口ごとに取り付けられている止水栓が閉まっているなら、開ければ解決する可能性があります。
一部の蛇口で水も出ない場合、一度止水栓を確認してみましょう。
また、配管の不具合も考えられるので、水道会社による点検がおすすめです。
2.お湯を出す代替方法はないの?
緊急でお湯を使いたい場合、電気ヒーターや仮設の給湯器で代替する方法があります。
給湯器本体の異常があり、お湯が出ない場合でガスや電気が使えれば、電気ヒーターや仮設の給湯器を稼働すれば対応できます。
また、電気ポットを活用して代替する方法もあります。
しかし、お湯を作り出せる量の差は歴然です。
日常的に使う機器だからこそ、お湯が出ない状態にならないよう、定期的なメンテナンスも重要です。
3.自分でできる予防策はあるの?
給湯器を使っていて、急に水は出るのにお湯が出ないような状態を避けるには、掃除を含めた定期的なメンテナンスが欠かせません。
たとえば、汚れが目立っていれば、硬く絞った濡れ雑巾で優しく拭き取っていきます。
また、給湯器を修理するのか交換するのかは、早期発見が重要です。
つまり、安心して給湯器を使うには、専門業者による定期点検がおすすめです。
まとめ
今回は給湯器を使っていて、水は出るのにお湯が出ない状態について、考えられる原因や対処法などを紹介しました。
エラーコードからわかるような症状や自然災害などが原因になっている場合、自分で対処できる可能性があります。
また、給湯器に関連する場所を確認すれば、より深く原因を突き止められます。
特に寒い時期、急にお湯が出ないと困ってしまうものです。
給湯器の稼働年数を考慮したうえで、定期的な掃除や専門業者による定期点検を行い、安心してお湯が出る給湯器にしていきましょう。