キッチン設備を選ぶ際、「ガスコンロにするか?それともIHにするか?」という悩みは誰もが通る道です。特にリフォームや新築、引っ越しなどのタイミングでは、この選択が後々の暮らしやすさを大きく左右します。
この記事では、ガスコンロとIHクッキングヒーターの違いをあらゆる角度から比較し、どちらを選ぶべきかの判断材料を徹底解説します。それぞれの特徴・長所・短所を理解することで、自分に合った最適な選択ができるはずです。
ガスコンロかIHクッキングヒーターかお悩みの方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてくださいね!
1. ガスコンロとIHの基本構造と仕組み
まずは、ガスコンロとIHの「仕組み」の違いを理解しましょう。
◯ ガスコンロの仕組み
ガスコンロは、都市ガスやプロパンガスを使って直接火を出すことで加熱する調理器具です。火が見えることで加熱の状態が視覚的にわかり、強火・中火・弱火のコントロールが直感的に行えるのが特徴です。
また、鍋底が丸い中華鍋や土鍋など、幅広い調理器具に対応しているのも大きな強みです。
◯ IHクッキングヒーターの仕組み
IH(Induction Heating)とは「電磁誘導加熱」の略で、内部にあるコイルから発生する電磁波によって、鍋自体を加熱する仕組みです。つまり、火は出ないのに、鍋が発熱して調理ができるという仕組みです。
そのため、調理器具がIHに対応している必要がありますが、加熱中でも周囲が熱くなりにくく、安全性に優れている点が魅力です。
2. 【火力・調理性能】どちらが料理に向いている?
では、料理をするにはガスコンロとIHクッキングヒーター、どちらが向いているのでしょうか?それぞれの特徴から見てみましょう。
◯ ガスコンロのメリット:ダイナミックな火力と自由な調理
- 強火調理が得意:中華料理やステーキ、焼き魚など、パワフルな火力を必要とする料理に最適。
- 視覚で火加減を判断可能:炎の大きさが見えるため、火力調整がしやすい。
- 多様な鍋・フライパンに対応:特殊な材質(アルミ・土鍋・銅など)も使用可能。
ガス火ならではの「焼き目」「焦がし」「直火炙り」ができる点は、料理好きにはたまらない魅力です。
◯ IHのメリット:正確な温度管理と火なし調理
- 加熱ムラが少なく、温度管理が正確:一定温度で加熱する料理(低温調理・煮物・揚げ物)に強い。
- タイマーや温度設定が細かく可能:加熱しすぎるリスクが減り、料理の失敗を防ぎやすい。
- 天面が熱くなりにくい:高温調理時でも周囲が安全。
一方、中華鍋を振るような料理では加熱が一時的に止まることがあるなど、やや制限があるのも事実です。
3. 【安全性】火災・やけど・ガス漏れのリスクは?
ご年輩の方や小さなお子さまがいらっしゃるご家庭では、安全性も気になるところですね。ガスコンロとIHクッキングヒーターの安全性も解説します。
◯ ガスコンロの安全性
- 最新モデルは「立ち消え安全装置」「温度センサー」「消し忘れ防止機能」などが搭載されており、以前に比べて安全性は向上しています。
- ただし、火を使う以上、子どもの火遊びや調理中の衣類への引火、ガス漏れなどのリスクは残るため、高齢者や小さなお子様のいる家庭では注意が必要です。
◯ IHの安全性
- 火が出ないため、火災リスクが圧倒的に低い。
- 鍋を置かないと加熱が始まらない「鍋検知機能」や「チャイルドロック」「自動停止機能」など、安全機能が充実。
- 加熱面が直接高温にならないため、うっかり触れても火傷のリスクが少ない。
「火を見ないと不安」という声もありますが、小さな子どもや高齢者がいる家庭では、安心感の大きい選択肢と言えるでしょう。
4. 【掃除・メンテナンス性】毎日の手間を考えると?
長く使うものだからこそ、掃除やメンテナンスの簡単さも気になります。ご自身のライフスタイルに合わせ、利便性も考えたうえで検討することをおすすめします。
◯ ガスコンロは掃除がやや大変
- 五徳やバーナー周りに油汚れが付きやすく、部品の取り外しと洗浄が必要。
- 吹きこぼれなども、コンロの内部まで汚れが入り込み、こまめな清掃が求められる。
最新のガラストップコンロなどは掃除がしやすくなってきていますが、IHに比べると手間はかかります。
◯ IHは掃除がとにかく簡単
- フラットなガラストップなので、調理後に布巾で拭くだけでOK。
- 吹きこぼれても、凹凸がないため汚れがこびりつきにくい。
- 焦げつきや油は専用クリーナーでスムーズに落とせる。
料理後の後片付けの時間が短縮できるのは、忙しい人や掃除が苦手な人には大きなメリットです。
5. 【光熱費・ランニングコスト】
ガスと電気、どちらがコストパフォーマンスに優れているかも重要なポイントです。
◯ ガスコンロのコスト
- 都市ガスなら比較的安価ですが、プロパンガスの場合は割高になる傾向があります。
- ガス会社や地域によって価格差が大きく、長期的な光熱費に影響することも。
◯ IHクッキングヒーターのコスト
- オール電化住宅では電気代が割安になる夜間プランが使えるため、IHの方がトータルで安くなることもあります。
- 電気代は季節によって変動しやすいため、使用状況に応じた比較が必要です。
実際には「他の家電の消費電力」や「給湯方法(ガス or 電気)」によっても差が出ます。
6. 【災害時の対応力】停電やガス停止、どっちが有利?
日本は地震大国。災害時に「調理ができるかどうか」は重要な視点です。万が一に備え、防災面からも検討しましょう。
◯ ガスコンロの災害対応力
- 都市ガスは停止すると復旧に時間がかかることがありますが、プロパンガスなら比較的早く復旧。
- また、カセットコンロを併用すれば停電時でも調理可能。
◯ IHは停電に弱い
- 電気が止まるとIHは使用できません。
- 非常用電源がなければ、完全に使えなくなる点は大きな弱点。
防災意識の高い家庭では、IHを選ぶ場合でもカセットコンロの備えは必須です。
7. 【どっちが向いている?こんな人におすすめ】
では結局、どちらが向いているの?と簡単に判別できるよう、一覧で比較してみました。ご自身がどちらが適しているか、チェックしてみてください。
ライフスタイル | 向いているのは? | 理由 |
料理が趣味で中華や強火調理をよくする | ガスコンロ | 火力の強さと調理の自由度 |
掃除が苦手、時短したい | IH | フラット構造で掃除が圧倒的にラク |
小さな子どもや高齢者と同居 | IH | 安全機能が充実、火を使わない安心感 |
土鍋・中華鍋を使いたい | ガスコンロ | 使用可能な鍋の自由度が高い |
オール電化住宅で電気代が安い | IH | トータルコストを抑えやすい |
災害時の備えを重視 | ガスコンロ | カセットコンロと併用可能 |
ガスコンロとIHクッキングヒーターのメリット・デメリットやその他比較については、以下の記事でもくわしくご紹介していますので、ぜひご参照ください。
8. 【まとめ】選ぶポイントは「暮らしの優先順位」
ガスコンロとIH、それぞれにメリット・デメリットがあります。最終的にどちらを選ぶかは、「自分や家族の暮らしに何を優先するか」によって異なります。今一度、ポイントを以下にまとめます。
- 料理の楽しさ・火力重視ならガスコンロ。
- 安全性・掃除のラクさ・時短ならIH。
- 災害時の備えならガス+カセットコンロの併用。
- コスト重視なら、住宅の設備(オール電化 or 都市ガス)も加味して検討しましょう。
日々の食卓を支える大事な設備だからこそ、長い目で見て後悔のない選択をしてくださいね。
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