「以前よりもガスコンロの火力が弱く感じる」「強火にしてもなかなかお湯が沸かない」
このような症状に心当たりはありませんか?
ガスコンロの火力低下は、単なる使い勝手の問題だけでなく、調理効率の悪化やガス機器の不具合のサインである可能性もあります。
実は火力が弱くなる原因は、五徳やバーナーの汚れといった身近なものから、ガス圧や部品劣化といった専門的なものまでさまざまです。
この記事では、ガスコンロの火力が弱くなる主な原因と、自分で確認できるチェックポイント・対処法を分かりやすく解説します。ぜひ最後までご覧ください!
ガスコンロの火力が弱くなる主な症状

まずは、火力低下でよく見られる症状を確認してみましょう。
- 強火にしても炎が小さい
- 鍋底全体に火が回らない
- 以前より沸騰まで時間がかかる
- 炎が赤っぽく、安定しない
- 片方のバーナーだけ火力が弱い
これらの症状がある場合、以下で紹介する7つの原因が関係している可能性があります。
原因① 五徳やバーナー周りの汚れ・詰まり

まず、1つ目の原因として挙げられるのは「五徳やバーナー周りの汚れ・詰まり」です。
最も多い原因は「汚れ」
ガスコンロの火力低下で最も多い原因が、五徳やバーナー部分に付着した汚れです。
吹きこぼれや油汚れが蓄積すると、ガスの噴出口(炎口)をふさいでしまい、正常な燃焼ができなくなります。
特に以下の部分は要注意です。
- バーナーキャップ
- 炎口の穴
- 五徳の設置位置
対処法
- 五徳とバーナーキャップを外す
- 中性洗剤で油汚れを落とす
- 炎口の穴はつまようじや歯ブラシで優しく掃除
- 完全に乾かしてから元に戻す
※水分が残ったままだと点火不良の原因になります。
原因② 五徳・バーナーキャップのズレや変形

2つ目の原因は、「五徳・バーナーキャップのズレや変形」です。
正しい位置にセットされていますか?
掃除後や鍋の衝撃などで、五徳やバーナーキャップがズレていると、炎が正常に広がらず火力が弱く感じることがあります。
また、長年の使用でバーナーキャップが歪んでいる場合も、炎が不均一になりやすくなります。
チェックポイント
- バーナーキャップが正しい向き・位置にあるか
- 五徳がガタついていないか
異常があれば、正しくセットし直すだけで改善することも少なくありません。
原因③ ガスの供給量・ガス圧の問題

原因3つ目は、「ガスの供給量・ガス圧の問題」です。
他のガス機器も弱くない?
コンロ全体の火力が弱い場合、ガスの供給量やガス圧が低下している可能性があります。
- 給湯器の湯温が安定しない
- ガスファンヒーターの火力が弱い
このような症状が同時に出ている場合、ガス会社側の供給トラブルや、メーター・配管の問題が考えられます。
対処法
- ガスメーターが遮断されていないか確認
- 異常があればガス会社へ連絡
ガス圧の調整や配管確認は、必ず専門業者に任せましょう。
原因④ 安全装置(温度センサー)の作動

4つ目の原因は、「安全装置(温度センサー)の作動」です。
近年のガスコンロには、Siセンサー(温度センサー)が搭載されています。
鍋底の温度が異常に高くなると、自動的に火力を弱めたり消火したりする仕組みです。
- 鍋底が反っている
- 小さすぎる鍋を使っている
このような場合、センサーが誤作動し、火力が弱いと感じることがあります。
対処法
- 鍋底が平らな調理器具を使う
- バーナーサイズに合った鍋を選ぶ
安全装置が作動する原因とリセット方法は、以下の記事でも紹介していますのでご参照ください。
原因⑤ 経年劣化・内部部品の不具合

5つ目の原因は、「経年劣化・内部部品の不具合」です。
使用年数が10年以上になると、以下のような劣化が起こりやすくなります。
- バーナー内部の腐食
- ガスコックの劣化
- 点火装置の不調
この場合、掃除や調整では改善せず、修理や交換が必要になることがほとんどです。
原因⑥ LPガス・都市ガスの種類違いによる火力低下

6つ目の原因は、「LPガス・都市ガスの種類違いによる火力低下」です。
ガス種が合っていないと本来の火力は出ない
ガスコンロは、都市ガス用とLPガス(プロパンガス)用で内部構造が異なります。
引っ越しや中古購入、コンロの交換時にガス種が合っていないと、以下のような症状が出ます。
- 全体的に火が弱い
- 炎が不安定で立ち上がらない
- 強火にしても変化が少ない
特に注意したいのが、都市ガス地域でLPガス用コンロを使用しているケースです。この場合、ガス圧が合わず火力不足になりやすくなります。
チェック方法
- コンロ側面や取扱説明書の「ガス種表示」を確認
- ガスメーターや契約ガスの種類を確認
ガス種の変更は部品交換や調整が必要になるため、必ずメーカーまたはガス会社に相談しましょう。
原因⑦ ゴム管・接続部の劣化や折れ

7つ目の原因は、「ゴム管・接続部の劣化や折れ」です。
意外と見落としがちな配管トラブル
コンロ本体ではなく、ガスホース(ゴム管)側に原因があるケースもあります。
- ホースが折れ曲がっている
- 経年劣化で内部が狭くなっている
- 接続部が緩んでいる
これらがあると、ガスの流量が減り、火力が弱くなります。
対処法
- ゴム管が無理な角度で曲がっていないか確認
- ひび割れ・硬化があれば早めに交換
- 差し込みが甘い場合は差し直す
※ガス臭がする場合は、すぐ使用を中止してください。
自分でできるチェックリスト

火力が弱いと感じたら、まずは以下を確認してみましょう。
- 五徳・バーナーは汚れていないか
- 正しい位置にセットされているか
- 他のガス機器も同様に弱くないか
- 使用している鍋は適切か
これで改善しない場合は、無理に使い続けず専門業者に相談するのが安心です。
火力が弱いときに「やってはいけないNG対応」

火力不足を何とかしようとして、危険な対処をしてしまう人も少なくありません。
よくあるNG例
- バーナー内部を分解する
- 針金などで炎口を強く突く
- センサーを無効化しようとする
これらは、ガス漏れや不完全燃焼の原因になり非常に危険です。あくまで「掃除・位置確認・外観チェック」までにとどめましょう。
火力低下を防ぐための日常メンテナンスのポイント

火力が弱くならないようにするには、日頃のちょっとした習慣が効果的です。
おすすめメンテナンス
- 吹きこぼれたらその日のうちに拭く
- 月1回は五徳とバーナーを外して確認
- 鍋底の汚れや焦げも定期的に落とす
特に油汚れは固まると落ちにくくなり、火力低下の原因になります。
ガスコンロの寿命と火力低下の関係

一般的にガスコンロの寿命は約10年とされています。寿命が近づくと、次のような症状が複合的に現れます。
- 火力が安定しない
- 点火に時間がかかる
- 使用中に勝手に弱火になる
この段階では、修理より交換の方が安全かつ経済的な場合もあります。
修理と買い替え、どちらを選ぶべき?

それでも「修理か買い替え」のどちらを選ぶべきか迷う場合は、以下のチェックポイントを参考に検討してみてください。
修理がおすすめなケース
- 使用年数が5~7年程度
- 特定のバーナーだけ不調
- 明確な部品劣化が原因
買い替えがおすすめなケース
- 10年以上使用している
- 複数箇所に不具合がある
- 安全装置の誤作動が頻発
火力低下は「寿命のサイン」であることも多いため、安全性を最優先に判断しましょう。
【まとめ】原因を切り分ければ、火力低下は対処できる

ガスコンロの火力が弱くなる原因は、
汚れ・ズレ・ガス供給・ガス種・配管・経年劣化など多岐にわたります。
火力低下を放置せず、早めに対処することで、安全で快適な調理環境を保つことができます。
まずは自分で確認できる範囲をチェックし、それでも改善しない場合は、無理に使い続けず、専門業者やメーカーに相談することが重要です。もしガスコンロの火力低下でお困りの際は、「都市ガスサービス」にお気軽にご相談ください。


