ガスコンロの火が点かないと「故障したのでは?」と、つい心配になってしまうものです。
とくに、ガスコンロを設置してからの年数が浅い家庭からすると、原因がわかりにくく焦った経験はありませんか。
実は大半の場合、自分で解決できる対処法があります。
そこで本記事では、ガスコンロの火が点かなくなる原因と、それぞれの対処法について解説します。
料理中に水をこぼしてしまった際の対処法もまとめているので参考にしてください。
ガスコンロが点かない原因と対処法11選
ガスコンロが点かない主な原因は、以下の11項目です。
- 電池切れ
- バーナーキャップのズレや汚れ
- センサーや点火プラグの水分付着
- ガスの元栓
- ガスホースの損傷やねじれ
- コンロ上の焼き網
- 安全装置の作動
- チャイルドロック
- ガス供給の停止
- ガスメーター安全装置の作動
- ガスコンロの故障
それぞれの対処法も踏まえて解説していきます。
電池切れ
ガスコンロの火が点かない原因が電池切れの場合、電池交換ランプが点灯で知らせてくれます。
「チチチ」と鳴っているのに、ガスコンロの火が点かないケースの1つが電池切れが原因になっています。
ほかにも電池がズレている(正しく入っていない)のが原因になっている可能性もあるので、設置位置の確認も必須です。
ガスコンロに設置する電池の交換目安は、ガスコンロを使う頻度にもよりますが、前回交換から1年が目安になります。
新品の電池に交換しても着火しない場合、電池の設置位置がズレている可能性もあるので、新品に交換したあとの再着火をして対処しましょう。
バーナーキャップのズレや汚れ
バーナーキャップがズレていたり汚れていたりすると、「チチチ」と鳴っているのに、ガスコンロが点かない場合があります。
ガスコンロから火花が散っている状態なので、故障を疑ってしまう方も少なくないでしょう。
2口以上のガスコンロを使っていて、片方だけ火が点かない場合に発生しやすい原因です。
ほかにもガスの匂いがしていると、バーナーキャップの汚れが原因でガスコンロが点かない場合が考えられます。
ガス臭さが発生した場合は、すぐに換気したうえでバーナーキャップのズレや汚れに対処しましょう。
ほかにもバーナーキャップの水分が付着している場合、ガスの不完全燃焼を防止するために、ガスの供給を停止する可能性もあります。
バーナーキャップが原因でガスコンロの火が点かない際、バーナーキャップが正しく設置されていて、汚れや水分を拭き取れているか確認しましょう。
センサーや点火プラグの水分付着
センサーや点火プラグに水分が付着していると、前述で解説したようにガスの不完全燃焼を防止する目的から、ガスコンロの火が点かなくなる場合が考えられます。
とくに点火プラグは繊細な部品になるので、水分の付着や拭き取りを丁寧に扱う必要があります。
たとえば点火プラグを掃除しようとした際、過度な力を加えてしまうと、向きが変わってしまう可能性があるのです。
汚れや水分を拭き取る際、なるべく柔らかい布で拭き取り、しっかり乾燥させてから設置しましょう。
ガスの元栓
ガスコンロの火が点かなくて、電池交換やバーナーキャップなどの掃除をしても解決しない場合、ガスの元栓が閉まっているだけの可能性もあります。
たとえば出張や旅行などで、長期的に家を留守にする際、帰宅後に起こりうる原因でしょう。
仮にガスの元栓を開けようとしても、固まって動かない場合は劣化が原因の可能性があります。
すぐにガス会社に問い合わせて対処してもらいましょう。
ガスホースの損傷やねじれ
ガスホース(ゴム管)の損傷やねじれが発生していると、ガスの供給が十分に行き届かず、ガスコンロの火が点かなくなります。
ガスホース(ゴム管)がねじれているだけであれば自分で対処できますが、損傷が原因であれば交換を検討しましょう。
ガスホース(ゴム管)の損傷が起きる主な理由は、部品の経年劣化です。
部品交換の目安は、設置から7年前後です。
経年劣化からガスホース(ゴム管)がねじれているのであれば、ホームセンターやインターネット通販(オンラインショップ)で新品と交換するのも1つの手です。
コンロ上の焼き網
2008年10月以降に作られたガスコンロは、焼き網を乗せて火を点けられない設計になっています。
「Siセンサー」と呼ばれる安全センサーが、すべてのガスコンロに搭載されているからです。
天ぷらのような揚げ物を作っている際、鍋が約250℃を超えないよう過熱防止装置が作動します。
とくに「鍋なし検知機能」により、焼き網を乗せた状態ではガスコンロの火が点かないように設計されているのです。
参考:一般社団法人日本ガス協会「Siセンサーコンロ」(参照2024-02-24)
安全装置の作動
前述で解説した点火プラグの横にある安全装置が作動すると、ガスコンロの火が点かなくなります。
「立ち消え安全装置」と呼ばれる機能で「Siセンサー」の機能です。
たとえば、煮物を料理している際、煮こぼれが起きると自動でガスの供給を止めます。
「立ち消え安全装置」が料理の影響で濡れていたり汚れていたりすると、火が点かなくなるケースも考えられます。
バーナーキャップの掃除同様、なるべく柔らかい布で拭き取りましょう。
チャイルドロック
ガスコンロの多くは、小さなお子さまが誤って着火してしまわないよう、家族の安全を守る「チャイルドロック」の機能が搭載されています。
チャイルドロック機能が搭載されているガスコンロを使っている場合、チャイルドロックのオンオフを確認しましょう。
ガスコンロのチャイルドロックは、着火ボタン周辺に設置されているケースが大半です。
長押しで作動したり切り替え式だったりして、メーカーや機種によってチャイルドロック機能の作動方法が異なります。
取扱説明書に書かれているチャイルドロックのページを確認して、対処していきましょう。
ガス供給の停止
ガスの供給が停止していてガスコンロの火が点かないケースで考えられるのは、以下のケースです。
- 安全装置の作動
- ガス料金の未払い
- 長期間ガスの未使用
ガスコンロだけでなく、給湯器などのガス機器も使えない場合、ガスメーター側の元栓を確認して判断しましょう。
ガスメーター安全装置の作動
ガスコンロではなく、ガスメーター側の安全装置が作動していても、ガスコンロの火が点かなくなります。
震度5強以上の地震を感知したり一定量のガス漏れが発生したりすると、ガスメーターの安全装置が作動します。
原因がわからずガスメーターの安全装置が作動した場合、復帰操作が必要です。
日本ガスメーター工業会で、復帰操作のやり方が公開されているので参考にしてください。
参考:日本ガスメーター工業会「マイコンメーターの復帰方法 〈都市ガス〉」(参照2024-02-24)
参考:日本ガスメーター工業会「マイコンメーターの復帰方法 〈LPガス〉」(参照2024-02-24)
ガスコンロの故障
ガスコンロの火が点かない原因について、ここまで解説した対処法を試しても解決しない場合、ガスコンロの故障が考えられます。
「チチチ」と鳴らない場合は、ガスコンロの電気系統における故障の可能性もあります。
とくにビルトインタイプのガスコンロを使っている家庭は、交換の工事が必要です。
ガスコンロの交換は、主に以下の業者で対応するので、問い合わせて対処してもらいましょう。
- ガス会社
- ガスコンロのメーカー
- リフォーム会社
- ホームセンター
依頼先によって割引やキャンペーンなど実施しているタイミングもあるので、見積もりの段階で保証を含めて、しっかり打ち合わせしておきましょう。
ガスコンロに水をこぼした際の対処法
お湯を沸かしていたり煮物を作ったりしていると、ガスコンロに水をこぼしてしまうケースがあります。
「火を使うから使っている間に乾くだろう」と思った経験はありませんか。
実は、前述で解説した「Siセンサー」が作動して、ガスコンロが点かないケースが多いのです。
バーナーキャップや点火プラグに水分が付着していると、ガスコンロが点かなくなります。
ガスコンロに水がこぼれてしまった場合、落ち着いて以下のステップで対処していきましょう。
- 点火ボタンを切る
- ガスの元栓を閉める
- バーナーキャップの温度を触れる程度に冷ます(手袋着用が推奨)
- 乾いた柔らかい布でガスコンロの水分を拭き取る
- バーナーキャップ・点火プラグ・温度センサーなどの部品に付着した水分も拭き取る
- 乾燥するまで使用せずに放置する
- 点火を確認する
ガスコンロに水をこぼしても、上記のステップで対処できるので試してみてください。
乾かしても点かない場合
ガスコンロの部品を拭き取ったり乾燥させたりしても火が点かない場合、各部品が正しく設置されていない可能性があります。
少しでも部品がズレていると、安全装置が作動してしまうのです。
部品を正しく設置してもガスコンロの火が点かない場合、電気系統のトラブルが考えられるので、業者に点検してもらうのがおすすめです。
ガスコンロが点かない際によくある質問
ここからは、ガスコンロが点かない症状が見られた際、それぞれの原因や対処法以外によくある質問を取り上げます。
- 寿命が原因でガスコンロが点かなくなるケースってあるの?
- どうしても点かない場合はどうしたらいいの?
今回、上記2点の疑問に回答していきます。
寿命が原因でガスコンロが点かなくなるケースってあるの?
ガスコンロは構造上、故障しにくい製品ですが寿命を超えて使い続けると、ガスコンロの火が点かなくなる場合があります。
そもそもガスコンロの寿命は、使う頻度によりますが10年前後と言われています。
ガスコンロを設置してから10年経過しているなら、買い替えを検討しましょう。
日本ガス石油機器工業会でも、ガスコンロを含めたガス機器の点検や買い替え(取り替え)を10年と推奨しています。
ガスコンロが故障する症状でよく見られるのは、以下の症状です。
- 点火までの時間がいつもより長い
- ガスコンロを点火すると異臭がする
- ガスコンロの部品に亀裂やサビがある
- 炎の色が黄色やオレンジに変わる
- ガスコンロの天板がいつもより熱い
ガスの不完全燃焼やガス漏れなど、トラブルが起きる前に点検を依頼するのがおすすめです。
出典:一般社団法人日本ガス石油機器工業会「ガス燃焼機器には、寿命があります。」(参照2024-02-24)
どうしても点かない場合はどうしたらいいの?
ガスコンロの火が点かなくて、ここまで解説した対処法を試しても解決しない場合に考えられる手段は、ガスコンロの修理や交換です。
点検した結果、簡単な作業で済むケースもあります。
しかし、システムキッチンの場合、買い替え(取り替え)工事が伴う作業だと3日前後かかってしまいます。
ガスコンロが使えない期間ができてしまうので、比較的安めの据え置きタイプガスコンロで代用するのも1つの手です。
まずは前述で解説したように、ガスコンロを設置からの年数から、余裕を持てるように点検を視野に入れておきましょう。
まとめ|ガスコンロが点かなくなる前に対処しよう
今回はガスコンロの火が点かない症状について、考えられる原因やそれぞれの対処法などを解説しました。
電池切れや部品のズレ・汚れ・水分付着だけでなく、安全装置の作動などが原因になっているケースが大半です。
ガスコンロに水をこぼしてしまった場合でも、落ち着いて対処すれば解決する可能性があります。
しかし、ガスコンロの寿命が原因になっていると、ガスコンロの買い替え(取り替え)工事が必要です。
ガスコンロの寿命は10年と言われているので、設置から10年前後経過している場合、業者に点検を依頼しましょう。