最近では「家のことは自分でやる」「プロに頼む前にまずは自分で挑戦したい」というDIY志向の人が増えています。その中で意外と見過ごされがちなのが、「レンジフードの掃除」です。
料理好きな人や日常的にキッチンを使う家庭にとって、レンジフードは欠かせない存在。しかし、掃除が面倒そう・構造が複雑そうという理由で、何ヶ月も放置してしまっている人も多いのではないでしょうか?
実は、レンジフードの掃除をすることで、換気性能が向上し、油煙の広がりやニオイ残りが減り、キッチンの清潔感が格段にアップします。しかも、プロのような清掃スキルがなくても、道具とやり方を押さえれば十分に家庭で再現可能です。
この記事では、プロの清掃業者が実際に現場でやっている3つのテクニックを厳選して紹介。どれも手軽に取り入れられるものばかりなので、「やるなら今日!」の気持ちでぜひチャレンジしてみてください。
なぜレンジフードの掃除が大事なのか?
レンジフードは、料理中に発生する油煙や湯気、ニオイなどを吸い取り、キッチンやリビングの空気を清潔に保つために不可欠な設備です。しかし、毎日使っているうちに、フィルターやファン、内壁に油汚れが徐々に蓄積していきます。
この蓄積がひどくなると、次のような問題が起こります。
- 吸引力の低下によってニオイが部屋中に広がる
- 換気不良によって窓が結露しやすくなる
- モーターに負荷がかかり、故障や異音の原因になる
- 油汚れにホコリが付着し、火災リスクが高まる
特にマンションや気密性の高い住宅では、レンジフードの性能がダイレクトに空気環境へ影響します。換気が甘くなると、壁や天井に油が飛び散って汚れたり、冷暖房の効率まで落ちてしまうことも。
これらを防ぐためにも、定期的なセルフメンテナンスが重要です。そこで、プロが伝えるセルフメンテナンス方法を3つご紹介します!
レンジフードが汚れる原因や油汚れを落とすコツは以下の記事でも紹介していますので、あわせてご覧ください。
プロ技①:フィルターの漬け置き洗浄で時短&効果倍増!
まず1つ目は、「フィルターの漬け置き洗浄」です。
レンジフードの中で最も手軽に掃除できるのが、金属製のフィルター。ここには油煙のほとんどが集まってくるため、こまめに掃除するだけでも空気の流れが改善されます。
プロの現場では「漬け置き」が基本です。ゴシゴシこするよりも、重曹やセスキで汚れを浮かせるのがコツ。順番は以下の通りです。
- フィルターを外す
まずはレンジフードの前面または底面にあるフィルターを取り外します。簡単に引き抜けるタイプが多く、工具なしでOK。 - 40〜50℃のぬるま湯に重曹を投入
洗い桶やゴミ袋にぬるま湯をため、重曹を大さじ4〜5入れます。完全に溶かしてからフィルターを沈めてください。 - 30〜60分放置して汚れを分解
油汚れがふわっと浮いてきたら、スポンジや古歯ブラシでこすり落としましょう。 - しっかりすすいで乾かす
洗剤が残ると再度汚れを吸着しやすくなるため、すすぎは念入りに。
ちなみに、フィルターの材質によってはアルミが白っぽく変色することがありますが、これは重曹との化学反応で、性能的な問題はありません。気になる方は中性洗剤+40℃前後のぬるま湯での対応がオススメです。
プロ技②:ファン(シロッコファン)の分解洗浄で本格清掃!
2つ目は、「ファン(シロッコファン)の分解洗浄」についてです。
レンジフードの中でもっとも汚れがたまりやすく、しかし掃除されにくいのが「ファン」。特に最近のレンジフードでは、シロッコファン(筒型のファン)が主流で、油汚れが羽根の隙間にビッシリ溜まりがちです。
この部分はプロに任せる人が多いですが、正しい手順で行えばDIYでも十分対応可能です。
- カバーを外してファンを取り出す
取扱説明書を確認しながら、前面または内部のネジを外してカバーを開けます。ファンが見えたら中心のネジやナットを外して取り出しましょう。 - 重曹水またはセスキ水に漬け置き
フィルターと同様、40〜50℃のお湯に重曹(またはセスキ炭酸ソーダ)を溶かし、1時間程度つけ置きます。隙間の汚れは歯ブラシで丁寧に。 - 水気をよく拭き取って完全乾燥
ファンの軸やネジに水分が残っていると、サビの原因に。乾燥はしっかり行いましょう。
ファン掃除をすると、驚くほど静かに回転し、吸引力も大幅アップします。「掃除した後は音が静かになった」と感じる方が多いのも納得です。
プロ技③:外装と内部の壁面は“仕上げ拭き”が決め手!
3つ目は、「外装と内部の壁面の仕上げ拭き」についてです。
せっかく内部をキレイにしても、外装や見える部分がベタついていたら台無しです。プロは「仕上げ拭き」で見た目の清潔感もアップさせます。
- 中性洗剤を薄めて全体を拭く
布に薄めた中性洗剤を含ませて、外装や操作パネル、内部の壁面を拭きます。細かな部分は綿棒や割り箸に布を巻いて使うと便利です。 - 乾拭きで仕上げて光沢を出す
洗剤が残ると再度汚れやすくなるため、必ず仕上げに乾いた布で拭き取ります。 - 仕上げにアルコールで除菌・脱臭
消毒用アルコールを使うと油分の除去+除菌ができ、見た目もスッキリします。ニオイが気になる場合はレモン水などを使うのも効果的です。
このひと手間で、“プロが掃除したような仕上がり”にグッと近づきます。
掃除の頻度と、習慣にするコツ
汚れは「たまる前」に落とすのがポイント。汚れがひどくなる前にこまめに掃除すれば、作業時間も半分で済みます。
掃除頻度の目安としては、
- フィルター:月1回
- ファン内部:半年に1回
- 外装:週1〜2回の軽拭き
この頻度で維持していけば、分解掃除が格段にラクになります。
また、市販の「フィルターカバー」や「マグネット式の油吸着シート」を活用すれば、次回の掃除がもっとラクになります。これらを賢く使うのも“プロのセルフメンテ術”です。
【まとめ】レンジフード掃除は“自分でできるプロの仕事”
「分解が怖い」「面倒くさい」と思われがちなレンジフード掃除ですが、実は慣れてしまえば30〜60分でできる家事です。今回紹介したようなプロ技を使えば、効率よく・確実に汚れを落とし、換気性能を劇的に改善できます。
そして何より、清潔なキッチンは料理のやる気もアップします。
油汚れがないキッチンは空気が軽く、食材もよりおいしく感じられます。毎日の暮らしを快適にするためにも、ぜひ今日から“プロ並みセルフ掃除”を始めてみませんか?