家庭用ガス衣類乾燥機「乾太くん」は、パワフルな乾燥力と時短性能で人気の高い家電です。
梅雨や花粉の季節、共働き家庭などで「これがないと困る!」という声も多い一方で、「お気に入りの服が縮んだ」「タオルがゴワゴワになった」などのトラブルもよく聞かれます。
実は、乾太くんを正しく使えば、衣類の傷みや縮みは大きく減らすことが可能です。この記事では、素材別に見る正しい乾燥方法と注意点を中心に、衣類を長持ちさせるコツをくわしく解説します。ぜひ最後までご覧ください。
乾太くんで服が縮む・傷む理由

まず、なぜ乾燥機で衣類が縮んだり傷んだりするのかを理解しておきましょう。原因は主に次の3つです。
① 高温乾燥による繊維の収縮

乾太くんはガスの力で高温・短時間で乾燥させる仕組みです。
そのため、熱に弱い繊維(綿、ウール、レーヨンなど)は収縮しやすい傾向があります。繊維の内部に含まれていた水分が一気に抜け、元の形に戻る際に「縮む」現象が起こります。
② 回転ドラムによる摩擦

乾燥中、ドラムの中で衣類は絶えず回転してぶつかり合います。これにより毛羽立ちや生地の擦れ、型崩れが起こることも。特にデリケート素材やプリントTシャツは要注意です。
③ 乾燥しすぎ

乾太くんは非常に乾燥力が高いため、必要以上に乾かす「過乾燥」が起こりやすいのも特徴です。繊維が硬くなり、タオルがゴワゴワする、Tシャツがパリパリになるといったトラブルにつながります。
ガス衣類乾燥機で服が縮まないために、以下の記事で注意すべきポイントをまとめていますので、あわせてご参照ください。
素材別:乾太くんでの正しい使い方と注意点

画像引用:https://rinnai.jp/lp/kanta_support/
衣類の素材によって、乾燥機に向き・不向きがあります。
ここでは代表的な素材ごとに、使ってよいか/避けた方がよいか、そして使う場合のポイントを解説します。
● 綿(コットン)

特徴: 吸湿性が高く、普段着に多い。
注意点: 縮みやすいが、高温に比較的強い。
乾太くんの使い方:
- Tシャツやタオルは「標準コース」でOK。
- 縮みが気になる衣類(デニム、シャツなど)は「デリケートコース」や「タイマー短め」で様子を見る。
- 一度縮んだものは元に戻らないため、新品の服は初回だけ自然乾燥でサイズ確認するのもおすすめ。
ポイント:
- 薄手のシャツやスカートは裏返してネットに入れる。
- タオルは単独で乾かすとふんわり仕上がる。
● ポリエステル・ナイロン(化学繊維)

特徴: シワになりにくく、乾きやすい。熱に弱い。
注意点: 高温で変形・溶解の恐れあり。
乾太くんの使い方:
- 「デリケートコース」または「低温モード」が安心。
- スポーツウェアやブラウスなどは乾燥機に長時間かけない。
- 乾きが早いので、途中で取り出す(タイマー設定10〜20分)のも有効。
ポイント:
- 静電気が発生しやすいため、柔軟剤シートを入れると快適。
- プリントやロゴのある衣類は裏返す。
● ウール(毛)

特徴: 天然素材で保温性が高い。水分と熱で縮みやすい。
注意点: 基本的に乾太くん不可。
理由:
ウールは繊維表面が「スケール」と呼ばれるウロコ状構造になっており、熱と摩擦で絡み合ってフェルト化する。乾太くんのような高温+回転環境は最も不向き。
代替策:
- 平干し乾燥を基本にする。
- 急ぎの場合は「送風コース(低温)」を10分ほどかけて、仕上げは陰干し。
● レーヨン・テンセル・キュプラ

特徴: とろみのある質感で人気だが、水と熱に非常に弱い。
注意点: 乾太くんNG素材。
理由:
水分を吸うと繊維が膨張し、熱で縮む・変形しやすい。乾燥機にかけるとテカリやヨレが生じやすい。
代替策:
- 室内干しまたは陰干し。
- どうしても乾燥機を使う場合は「デリケートモード」で短時間+ネット使用。
● デニム(ジーンズ)

特徴: 厚手で乾きにくいが、縮みやすい。
注意点: 一度の乾燥でサイズが1サイズ小さくなることも。
乾太くんの使い方:
- 新品デニムは一度自然乾燥で縮み具合を確認。
- 乾太くんを使う場合は「標準コース」で短時間(30〜40分)→残りは自然乾燥仕上げがベスト。
- 裏返してネットに入れることで、色落ち・スレを軽減。
● タオル

特徴: 高温乾燥との相性がよく、ふんわり仕上がる代表素材。
乾太くんの使い方:
- 「標準コース」で問題なし。
- 柔軟剤を使いすぎると吸水性が落ちるため注意。
- フルに乾かしすぎず、少し湿りが残る程度で取り出すとよりふっくら。
縮み・傷みを防ぐ乾太くんの上手な使い方

素材の違いを踏まえた上で、さらに以下の工夫を取り入れると、衣類を長持ちさせながら快適に乾燥できます。
① コースを使い分ける

乾太くんには「標準」「デリケート」「タイマー」など複数モードがあります。
- 普段着やタオル: 標準コース
- 下着・薄手ブラウス: デリケートコース
- 乾きすぎ防止: タイマー設定で短時間乾燥
「何となくいつも標準コース」ではなく、衣類ごとに使い分けることが大切です。
② 混ぜない

乾きにくい厚手衣類と薄手のシャツを一緒に入れると、薄手のほうだけ過乾燥になって傷みやすくなります。素材や厚みによって2回に分けて乾かすのが理想です。
③ 適量を守る

乾太くんの魅力はスピード乾燥ですが、詰め込みすぎると温風が行き渡らず、ムラ乾きやシワの原因に。ドラム容量の7割程度を目安にすると、ふんわり均一に仕上がります。
④ 定期的なフィルター清掃

画像引用:https://rinnai.jp/lp/kanta/
フィルターが目詰まりすると、温度が上がりすぎて衣類へのダメージが増します。使用後に毎回フィルターを掃除する習慣をつけましょう。
⑤ 乾燥後はすぐ取り出す

乾燥後に放置すると、熱がこもってシワやニオイの原因に。終了音が鳴ったらすぐ取り出すのが理想です。
縮みが心配な衣類は「部分乾燥+自然干し」で

乾太くんを上手に使うコツの一つが「部分乾燥」。
たとえば「乾きにくい厚手部分だけ乾かす」「生乾き臭を防ぐために最後の仕上げだけ乾燥機にかける」といった方法です。
おすすめの組み合わせ:

- 雨の日:まず乾太くんで20分→その後ハンガー干し。
- デリケート素材:脱水後10分乾燥→平干し。
これだけでも、乾燥時間を短縮しつつ、縮みや傷みを最小限に抑えられます。
【まとめ】乾太くんは「万能」ではなく「使い分け家電」

乾太くんは非常に便利で、家事時間を大幅に短縮してくれる強力な味方です。
しかし、どんな衣類にも万能ではなく、素材や状態に応じた使い分けが重要です。
ポイントをおさらいすると:
- 綿やタオルは標準コースでOK
- ポリエステルや薄手衣類は低温・短時間で
- ウールやレーヨンは基本NG
- フィルター掃除・容量管理は必須
- 乾きすぎを防ぐ「部分乾燥」が効果的
これらを意識すれば、乾太くんでもお気に入りの服を長く美しく保つことができます。「時短」と「衣類のケア」を両立させ、上手に乾太くんライフを楽しみましょう。乾太くんの導入をご検討の際は、弊社「都市ガスサービス」にお気軽にご相談ください。


