給湯器を使っていると、ふと「ガスのようなにおいがする…」と感じて不安になることがあります。
お風呂を沸かしているときや給湯器のそばを通ったとき、いつもと違う臭いがすると「これって危険なの?」と気になりますよね。ガス臭は放置すると、火災や爆発、一酸化炭素中毒などにつながる恐れがあり、早めの対応がとても重要です。
しかし、実際には「どこまでが危険なのか」「自分で確認していいのか」「業者を呼ぶべきなのか」など判断に迷う場面も多いもの。
そこで本記事では、ガス臭の危険度を見極めるポイントから、考えられる原因、安全な対処方法までをわかりやすく解説します。まずは落ち着いて、正しい知識を身につけていきましょう。
■ ガス臭いと感じたときの危険度チェック

まずは、ガスの種類によって注意すべきポイントが異なります。
● 都市ガス(天然ガス)
本来は無臭ですが、漏れをすぐに気付けるよう「付臭剤」という強いにおいがつけられています。
ガス臭い=ほぼ確実に漏れているサインと考えましょう。
● LPガス(プロパンガス)
こちらも人工的なにおいを付けています。ガス環境は密閉された空間で濃度が上がると爆発危険度が高く、より注意が必要です。
● 危険度の目安
以下の項目に1つでも当てはまれば、即停止&換気を最優先してください。
- 給湯器の周辺に強いガス臭を感じる
- 点火しないのにガスだけが流れる感覚がある
- 給湯器周りで「シュー」「プスプス」といった異音がする
- 配管付近が湿っている、サビている
- 火を使っていないのにガス臭が家中に広がる
特に室内設置型の給湯器でガス臭がする場合は非常に危険です。爆発・一酸化炭素中毒のリスクが高く、ただちに使用を中止しましょう。
異音についての目安は以下の記事でも紹介しています。ご参照ください。
■ ガス臭さの主な原因

給湯器がガス臭いと感じる場合、原因は大きく5つに分けられます。
【1】ガス漏れ(配管・継ぎ目の劣化)
最も危険なケースです。
経年劣化や地震の揺れ、外的な衝撃などでガス管の接続部分が緩んだり亀裂が入ったりすると、ガスが漏れることがあります。
【2】バーナー部分の不具合
給湯器内部のバーナーにサビ・ゴミ・油汚れが溜まると正常燃焼ができず、燃え残りガスが発生して異臭を感じることがあります。
【3】換気不足による燃焼不良
屋内型給湯器、風呂釜、古いタイプの給湯器では換気が不十分だと不完全燃焼が起こりやすいため、ガス臭く感じることがあります。
同時に一酸化炭素(CO)が発生し、命に関わる危険な状態です。
【4】排気・給気ダクトの詰まり
鳥の巣、虫、落ち葉、ホコリが詰まるケースがあります。
排気がうまく外に逃げないと、燃焼ガスが室内側に逆流しガス臭を感じます。
【5】給湯器の故障・寿命
給湯器の寿命は約10〜13年。
内部部品の劣化によりガスの供給・燃焼がうまくいかなくなり、異臭や点火不良が生じることがあります。
■ 自分でできる安全な確認ポイント

危険性が高いガス機器のトラブルでは、むやみに機器を触るのは厳禁です。
ただし、以下の「安全な範囲での確認」は可能です。
① ガスの元栓を閉める
まず最優先で元栓を閉めてガス供給を止めます。
② 窓を開けて換気する
電気スイッチは火花が出る可能性があるため触らないこと。
窓を手で開け、自然換気を行います。
③ 給湯器の周りの状況を目視で確認
触れずに以下をチェックします。
- ガス管の継ぎ目がサビていないか
- 雨風の直撃で外装が変形していないか
- 配管に結露ではない濡れがないか
異常があれば触らずに業者へ連絡をしましょう。
④ 排気口の詰まりを目視チェック
鳥の巣や落ち葉などが明らかに詰まっているなら、手で届く範囲のみ除去してOKです。
ただし内部の分解は絶対にしないようにしましょう。
ガス臭い時の確認ポイントや手順は以下の記事でも具体的に解説しています。ぜひご覧ください。
■ 絶対にやってはいけない行為

ガス臭がするときは、次の行為はすべて危険です。
- スイッチの ON/OFF(火花が出る可能性)
- 給湯器を叩いたり揺らしたりする
- 自分で分解する
- ライター・コンロを使う
- スマホ充電器の抜き差し(火花の可能性)
「少しガス臭いだけだから大丈夫」と思って使い続けるのが一番危険です。
■ プロに依頼すべきケース

次のいずれかに当てはまる場合、即連絡すべきレベルです。
- ガス臭が明らかに強い
- 給湯器を使うと毎回ガス臭が出る
- 10年以上使用している
- 雨風・地震のあとからガス臭がするようになった
- 異音がする
- 配管がサビている・濡れている
ガス会社・給湯器メーカー・ガス設備専門店に連絡しましょう。
「ガス臭い」と伝えると、緊急対応で来てくれるケースが多いです。
■ 修理費用と交換の判断基準

修理費用と交換の判断基準は、以下の通りです。
● 修理費用の目安

- バーナー清掃:5,000〜15,000円
- 部品交換:10,000〜30,000円
- ガス漏れ修理:15,000〜40,000円
ただし、給湯器本体が10年以上なら、部品供給が終了している場合があり、修理不能となることも。
● 買い替えの判断

以下に当てはまれば、交換を検討すべきです。
- 使用から10〜13年以上
- ガス臭の原因が本体内部の劣化
- 修理費が30,000円以上と言われた
- 不完全燃焼のエラーが出ている
交換費用は種類によりますが、エコジョーズなら15万〜25万円程度が相場です。エコジョーズについては以下の記事でも解説していますので、ご参照ください。
■ 自分と家族を守るためにできる予防策

給湯器がガス臭くなるのを防ぐために、日頃のチェックも重要です。
● 定期点検を受ける
ガス会社またはメーカーの点検を年1回受けるだけで、ガス漏れや劣化を早期発見できます。
● 排気口周りを清潔に保つ
落ち葉、虫、ゴミがたまりやすいため、月1回のチェックが安心。
● 給湯器周辺に物を置かない
洗濯物・清掃用具などを近くに置くと、換気不足や排気トラブルの原因になります。
【まとめ】ガス臭は「慣れ」で無視しないこと

給湯器のガス臭は、ガス漏れ・不完全燃焼・機器の老朽化など、重大なトラブルのサインであることが多く、放置は危険です。
- ガス臭いと感じたら 使用停止 → 換気 → 元栓を閉める
- 自分での分解はNG
- 明らかな異常がある、10年以上使用している場合はプロへ相談
- 定期点検と簡単な目視確認で予防可能
安全にお湯を使い続けるためにも、小さな異変を見逃さないようにしましょう。給湯器の危険を感じたら、自己判断せず、弊社「都市ガスサービス」にお問い合わせください。




