給湯器

給湯器のおすすめ温度設定は何度?設定時の注意点や節約術などを解説

給湯器の温度設定は、メーカーによる推奨温度が設定されています。

逆に推奨された温度設定よりも低いと、推奨の故障や給湯器への負荷だけでなく、かえって光熱費がかかってしまう恐れがあるのです。

しかし中には「具体的に何度なのか」「温度設定を高くしたいけど節約できないのはしんどい」など、悩みを抱えた経験のある方も少なくないでしょう。

そこで今回は、上記の疑問を解決するために給湯器のおすすめ温度設定だけでなく、節約効果が見込める方法、設定時の注意点などを解説します。

給湯器の温度設定における推奨温度

給湯器の温度設定としておすすめな温度設定は、機種によりますが大半は50〜60℃です。

一見すると高すぎるように見えますが、温度の微調整にかかる負荷は大きくなってしまうのです。

たとえば給湯器の温度設定を40℃に設定していて、蛇口から出るお湯の温度を38℃に設定していた場合、かえって微調整には負荷がかかります。

給湯器の温度設定と蛇口から出る温度設定の差が10℃前後に設定すると、給湯器への負荷が減るのでおすすめです。

メーカーも10℃前後の差を推奨しているので、給湯器を快適かつ長持ちさせたいなら10℃前後に設定しましょう。

また、お風呂にサーモスタット混合水栓を設置している家庭は、注意が必要です。

給湯器の温度設定に関係するサーモスタット混合水栓とは

引用元:モノタロウ「サーモスタット式シャワー KF800Tシリーズ」

サーモスタット混合水栓とは、給湯器で沸かしたお湯と水を混ぜて調整する水栓です。

旅館やホテルの大浴場で設置されているケースが多く、最近では家庭用のお風呂や台所などにも設置されています。

吐水温度と呼ばれる温度で、サーモスタット混合水栓は給湯器のリモコンで設定した温度よりも低くなるのが特徴です。

たとえば給湯器のリモコンで40℃に設定していても、2〜3℃ほど低くなります。

節約を考えて温度設定を低めに設定していて、思った温度にならなかった場合、出したい温度設定より2〜3℃高めにダイアルを合わせましょう。

かえって低めの温度設定にしてしまうと、結果としてお湯を出し続けてしまうでしょう。

光熱費削減のためにも、サーモスタット混合水栓を使っている方は出したい温度より高めに設定するのがおすすめです。

給湯器の温度設定以外でできる節約方法

給湯器の温度設定を高くするときになるのが「節約できるのか」です。

当然、温度設定を高くすればするほど、多くの電気やガスのエネルギーを消費するので光熱費がかかってしまいます。

そこでここからは温度設定以外の部分で節約効果が見込めるポイントを解説します。

  • 追い焚きしない
  • 湯を張る量を満水にしない
  • こまめに蓋をする
  • シャワーを出しっぱなしにしない
  • 給湯器に負担をかけない
  • 省エネタイプの給湯器を使う
  • 台所で使うお湯に注意する

順番に解説するので参考にしてください。

追い焚きしない

世帯人数が多い家庭はとくに、追い焚き機能を使いたくなりますが、節約を意識するなら追い焚きせずに入浴するのがおすすめです。

仕方なく追い焚きが必要な場合、足し湯をすれば追い焚きするよりも光熱費を節約できます。

前の人が入ったらすぐに入浴すれば、お風呂の温度はさほど冷めずに済むでしょう。

つまり、毎回追い焚きするのではなく「追い焚きする頻度を減らす意識」を持つのがおすすめの節約方法です。

湯を張る量を満水にしない

浴槽にお湯を張る量を満水にせず、5割程度の量にするのがおすすめです。

たとえ世帯人数が多くても、あとから入浴する方が足し湯で調整できるようになります。

1人暮らしであっても同様、5割程度で十分と言えます。

お湯張りの際、5割程度で止まるようなタイマー機能がある給湯器を使っている家庭であれば、タイマー機能を使って調整しましょう。

こまめに蓋をする

お湯を張ったまま放置していると、張ったお湯の温度が比較的早く冷めてしまいます。

冷めてしまうと追い焚きしたり足し湯したりする頻度も多くなります。

そこでおすすめの方法が、こまめに蓋をして温度を保つ方法です。

蓋をしていない状況よりも熱が逃げにくくなるので、手軽な節約方法です。

「保熱シート」で代用もできるので、世帯人数が多くて浴槽に蓋をしていない方は積極的に取り入れてみましょう。

シャワーを出しっぱなしにしない

シャワーを出しっぱなしにすると、当然光熱費の負担も大きくなります。

たとえばシャワーを20分前後出しっぱなしにすると、浴槽に満水のお湯を張れてしまいます。

節約を考えてシャワーのみにしている方は、シャワーを出している時間に注意が必要です。

シャワーを出している時間を削減できるかどうか、浴槽満水分のシャワーを使っていないか入浴前後の時間を確認してみるのも1つの手です。

給湯器に負担をかけない

前述で取り上げた追い焚き機能や長時間のシャワー使用は、給湯器に負担をかけてしまいます。

そもそも給湯器の耐用年数である寿命も、10年と言われていますが使い方によって寿命が短くなるのです。

給湯器が故障して使えなくなり、修理や交換が完了するまでお湯が出なくなってしまいます。

給湯器にかかる負担を減らすためにも、追い焚き機能を使う回数と、シャワーの使用時間を減らしていきましょう。

給湯器の交換が必要になった際の流れについては「給湯器の交換工事にかかる時間とは?当日までの流れや目安になる交換時期を徹底解説」でまとめてあります。

省エネタイプの給湯器を使う

従来型の給湯器よりも、エコジョーズやエコキュートのような省エネタイプの給湯器を使うと、光熱費を節約できます。

たとえば従来型と省エネタイプでは、以下のような光熱費の差があります。

給湯器の種類 年間光熱費の相場(4人家族想定)
従来型のガス給湯器 約50,000〜80,000円
省エネタイプのガス給湯器(エコジョーズ) 約40,000〜70,000円
従来型の電気給湯器(電気温水器) 約70,000〜120,000円
省エネタイプの電気給湯器(エコキュート) 約20,000〜40,000円

一見するとエコキュートは光熱費の節約額が大きく、魅力的に感じますが本体価格がどの給湯器よりも高いので注意が必要です。

エコジョーズの本体価格相場が38,500〜71,500円に対し、エコキュートは900,000〜1,100,000円もかかってしまいます。

省エネタイプの給湯器は、環境へのやさしさもありますが本体価格に十分注意しましょう。

台所で使うお湯に注意する

台所で使うお湯は、以下のポイントに注意すると節約につながります。

  • つけおきする際は水で行う
  • お湯は水から沸かす

沸騰したお湯を作り出す際、蛇口からお湯を出して沸かすのと水から沸かすのでは、水から沸かした方が経済的になるのです。

お湯を作るためにかかる負担は、ガスコンロで使うガス量よりも蛇口からお湯を出す方が、設定温度によっては大きな負担になるので注意しましょう。

光熱費節約におすすめの給湯器

光熱費削減を目的にしたおすすめの給湯器は、以下の通りです。

  • エコジョーズ
  • エコキュート
  • ハイブリット給湯器
  • 給湯専用の給湯器

順番にそれぞれの特徴を解説していきます。

エコジョーズ

エコジョーズは省エネタイプのガス給湯器です。

排気されている熱を再利用してお湯を沸かすので、ガス給湯器よりも少ないガス消費で済みます。

ガス給湯器よりも二酸化炭素の排出量が少ないのに、ガス給湯器以上の力を発揮してくれるのも魅力です。

給湯器の本体価格が比較的高額ですが、設置してからのガス代を削減できるのがメリットの給湯器です。

エコキュート

エコキュートは省エネタイプの電気給湯器(電気温水器)です。

電気給湯器よりも電気代を節約できるので、主にオール電化住宅で愛用されています。

しかしエコキュートは、どの給湯器よりも本体価格が高額で本体サイズも大きく、設置のハードルが比較的高いのがデメリットです。

省エネで環境にやさしい給湯器を求めていて、オール電化住宅の方におすすめの給湯器です。

ハイブリット給湯器

ハイブリット給湯器とは、お湯を沸かす用途によってガスか電気の燃料を使い分ける給湯器です。

燃料 用途
ガス お風呂のお湯張りなど、大量にお湯を使う場合
電気 少量のお湯で十分な場合

上記の使い分けができるので、従来型のガスまたは電気給湯器を使っている家庭より、50%前後の光熱費削減につながる場合があります。

しかしハイブリット給湯器の本体価格相場が650,000〜720,000円で、比較的高額な点において注意しましょう。

給湯専用の給湯器

給湯専用タイプの給湯器は、追い焚き機能が搭載されていない給湯器です。

浴槽のお湯がぬるくなった際、追い焚きができないので浴槽のお湯を温めるには足し湯以外の方法はありません。

自動でお湯を張る「お湯張り機能」がある給湯器でも、手動で給湯栓を開かなければいけないのも、手間に感じてしまうでしょう。

しかし、追い焚き機能が搭載されていないので、結果として光熱費削減につながる場合があるのです。

シャワーだけで十分な方や1人暮らしの方におすすめの給湯器です。

給湯器の温度設定におけるよくある質問

ここからは給湯器の温度設定でよくある質問を取り上げていきます。

  • 給湯器が冬に壊れやすいのはなんで?
  • エコキュートでも温度設定を気にしたほうがいいの?
  • 温度設定ができない場合どうしたら?

今回は上記3つに回答していきます。

給湯器が冬に壊れやすいのはなんで?

冬場に給湯器が壊れやすいのは、外の気温と蛇口から出すお湯の温度設定との差が激しくなるからです。

夏場にお湯を使わず水で済ませていても、冬場はどうしてもお湯を使いたくなるでしょう。

つまり給湯器を使う頻度が多くなるので、オンオフの切り替えにかかる負担が大きくなるのです。

凍結の恐れが考えられる朝方も、給湯配管を含めて壊れやすくなってしまいます。

凍結した際の対処法は「給湯器が凍結したらどうすれば?凍結の予防策や対処法などを解説」でも解説しています。

また給湯器が故障したかどうかを見極める方法については「給湯器が故障した場合どうすれば?原因や対処法などを徹底解説!」で解説しているので参考にしてください。

エコキュートでも温度設定を気にしたほうがいいの?

エコキュートの温度設定は、ガス給湯器よりも高く、60℃以上に設定しておくのがおすすめです。

サーモスタット混合水栓が故障するリスクを減らすだけでなく、雑菌の繁殖を抑えるために設定したい温度になるからです。

温泉のような入浴施設で問題視されているレジオネラ菌も、20〜45℃の温度で繁殖しやすいと言われています。

つまり、サーモスタット混合水栓が故障するリスクだけでなく、清潔な環境でお湯を使うためにも、温度設定を60℃以上にしておくのがおすすめです。

出典:厚生労働省「レジオネラ症の知識と浴場の衛生管理」(参照2024-03-29)

温度設定ができない場合どうしたら?

温度設定ができなくなってしまった際、以下の方法を試してみましょう。

  • サーモスタット混合水栓の温度調整ハンドルを操作する
  • 水圧やお湯が出る量を調整する
  • ガスメーターの復帰作業を行う
  • 優先温度の設定を変える
  • 循環フィルターを掃除する

大半の場合、給湯器の取扱説明書に対処法が記載されていますが、気になる方はメーカーなどの専門業者による点検を依頼しましょう。

まとめ|給湯器を長持ちさせるために適切な温度設定を!

今回は給湯器の温度設定で、1度は困った経験がある方に向けて、おすすめの温度設定や節約方法などを解説しました。

どうしても高めの温度設定になるので、光熱費の節約が見逃せません。

お湯張りの量を調整したり、こまめに蓋をしたりして浴槽の温度を下げにくくするなどの対策が必要です。

長期的に見ると光熱費を節約できるエコジョーズやエコキュートなどの省エネタイプの給湯器もおすすめですが、本体価格が高めな点がデメリットです。

温度設定がうまくできなかった際、放置しすぎると故障のリスクも考えられるので、心配な方は故障する前に専門業者に問い合わせて解決しましょう。

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