「急に給湯器の電源が入らなくなった」
「さっきまでは普通にお湯が出てたのに何で?」
「もしかして故障したのかな……」
普段使いしている給湯器が急に電源が入らなくなると、不安に感じてしまうものです。
そこで今回は、給湯器の電源が入らない際「どこを見れば故障かどうか確かめられるのか」や具体的な対処法を解説します。
自分で対処できるかどうか、見極められるようになるので、ぜひ参考にしてください。
給湯器の電源が入らない際のチェックポイント
給湯器の電源が入らない場合、故障を疑う前に以下のポイントを確認しましょう。
- リモコン
- ブレーカー
- 落雷の影響
- コンセント
- 故障や不具合
給湯器が故障しているかどうか、自分で判断できるようにぜひ参考にしてください。
1つ目|リモコン
給湯器の電源が入らない際、まず見ておきたい場所が給湯器のリモコンです。
お風呂場や台所に取り付けられているリモコンで、エラーコードが表示されていたら具体的な不具合が把握できます。
電気系統でトラブルがあった際、給湯器のリモコンが表示されない可能性もありますが、以下のような症状から給湯器の電源が入らない原因の究明につながります。
- 画面の一部が表示されない
- 画面全体が消えている
- 画面が点滅している
- 温度調整のボタンが反応しない
一方で、給湯器のリモコンをオフにしているのを忘れていて「水は出るのにお湯が出ない」と勘違いしているケースもあるので、一度リモコンのオンオフを繰り返してみましょう。
お風呂場や台所など、別々の場所に給湯器のリモコンが取り付けてある場合、すべての場所でエラーコードや画面の映り方を見ておくのがおすすめです。
2つ目|ブレーカー
給湯器のリモコンをオンオフしようとしても電源がつかない場合、ブレーカーが落ちているのが原因の可能性があります。
電力の消費が激しかったり漏電が発生したりして、安全装置が作動してブレーカーが落ちるケースが考えられます。
ブレーカーが落ちると、給湯器以外も電源が入らないので、一目瞭然でしょう。
しかし、ブレーカーを上げても給湯器の電源がつかない場合、漏電が原因で給湯器が故障している可能性も考えられます。
ブレーカーを上げても解決しないなら、自分で対処するのは難しい可能性が高いので、まずは落ち着いてメーカーへ問い合わせましょう。
3つ目|落雷の影響
前述で紹介したブレーカーに直結しますが、落雷の発生直後も給湯器の電源が入らないケースがあります。
落雷が原因で給湯器の電源が入らない場合、以下の方法で対処していきましょう。
- 給湯器のコンセントを抜いてから10秒待ち、再度差し込んでみる
- 給湯器のリモコンで電源のオンオフを試してみる
上記の方法で解決しない場合、給湯器の内部にある電装基板が損傷している可能性があります。
落雷のあとはとくに、コンセントやリモコンのオンオフを試し、解決しなければ専門業者へ修理を依頼するのがおすすめです。
4つ目|コンセント
給湯器のコンセントが、何かの拍子に抜けてしまっている可能性も考えられます。
屋外に設置されているケースが多い給湯器本体を付け直せば解決するケースもあります。
そもそも給湯器のコンセントは、すぐに抜けないように差し込んでねじれるような差し込み口になっているのが特徴です。
ねじらずに差し込んでしまうと、何かの拍子にコンセントが抜けてしまうので注意しましょう。
戸建住宅の場合、動物が通った際に抜けてしまう可能性も考えられるので、給湯器本体の周りを見ておくと、電源が入らない原因を究明できる可能性があります。
給湯器の電源が設置されている場所は、戸建なのかマンションやアパートのような集合住宅なのかで異なります。
戸建の場合
多くの場合で浴槽の外壁側に設置されています。
給湯器本体の場所がわかれば、本体付近にコンセントの差し込み口が設置されているので、確認してみてください。
給湯器の機種によっては、電源コードや配管などがカバーに包まれて見えなくしている給湯器があります。
給湯器のコンセントが見つからない場合は、給湯器の本体周りにあるカバーを外してみて、コンセントの差し込み口があるかみて見ましょう。
集合住宅の場合
マンションやアパートの多くは、ベランダやメーターボックスの中に設置されています。
ベランダに給湯器がない場合のほとんどが、玄関の横に扉が設置されていて、内部に給湯器本体が入っています。
注意点として、コンセントに差し込む際は関電の恐れがあるので、濡れた手で作業しないようにしましょう。
5つ目|故障や不具合
給湯器本体やリモコンが故障していたり不具合が起きたりしていると、リモコンの液晶画面でエラーコードを表示して知らせている可能性があります。
エラーコードが表示されていない場合、配線に不具合が起きている可能性があるので、修理しなければ給湯器の電源が入らなくなってしまうのです。
そもそも故障や不具合が起きる主な原因は、給湯器の経年劣化です。
経年劣化している給湯器は、言い換えれば「古い給湯器」になるので、急にお湯が出なくなったり電源が入らなくなったりします。
給湯器の電源が入らなくなってお湯が出ない症状も長引いてしまうので、自分で分解するような対処はせず、専門業者に点検・修理などを依頼しましょう。
給湯器の電源が入らない症状を見たあとのチェックポイント
給湯器の電源が入らない症状について、リモコンやブレーカー、コンセントなどを確かめても、お湯が出ない場合、以下のポイントをチェックしてみましょう。
- 給湯器の凍結
- 水の供給
- 蛇口
- エラーコードの表示
- ガスメーター
給湯器の故障かどうか、判断できるようになるので、専門業者へ問い合わせする前のチェック項目として参考にしてください。
給湯器の凍結
蛇口をひねっても、お湯だけでなく水も出ない場合、給湯器の電源が入らないと勘違いしやすい症状ですが、給湯配管が凍結している可能性があります。
気温が0℃を下回ると発生しやすい症状で、給湯器がうまく作動しません。
給湯器の電源が入らないのも、間違いとは断言できず、配管が凍結していると給湯器が空焚きしている状態になります。
給湯器は空焚きによるトラブルを防止するために、安全装置が作動して運転が停止するのです。
給湯配管が凍結している場合は、自然解凍やぬるま湯とタオルで対応できます。
具体的な対処法が気になる方は「給湯器が凍結したらどうすれば?凍結の予防策や対処法などを解説」で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
水の供給
水の供給がストップしている場合も、給湯器の電源が入らない可能性があります。
水の供給がストップするケースは、前述で取り上げた給湯配管の凍結だけでなく、給水バルブが閉まっているケースでも水の供給が止まります。
そもそも給湯器から水を供給するために接続されているのが、給水バルブです。
たとえば、新しく給湯器を設置したタイミングで発生します。
給水バルブが閉まったままだと、水の供給がストップするので給水バルブを全開にして対処しましょう。
蛇口
給湯器の電源が入らなかったり、給湯器が故障していると感じやすい症状は、蛇口をひねれば確認できる場合があります。
蛇口をひねって水は出るのにお湯が出ない場合「一部の蛇口」なのか「すべての蛇口」なのかで対応が異なります。
一部の蛇口
一部の蛇口でお湯が出ないのに水は出る場合、給湯器ではなく蛇口の故障が考えられます。
たとえば「台所の蛇口から水は出るのにお湯が出ない」と感じた場合、洗面所や浴室の蛇口でお湯が出るか確認しましょう。
すべての蛇口
すべての蛇口でお湯が出ないのに水は出る場合、給湯器本体での異常が考えられます。
具体的には、水抜き栓のフィルターにゴミが詰まってしまい、お湯が出ない症状が発生するのです。
水抜き栓(ストレーナ)の掃除が必要なので、取扱説明書をしっかり確認したうえで、ゴミを取り除きましょう。
参考:Rinnai「ガス瞬間湯沸器|水フィルタのお掃除の仕方を教えてください」(参照:2024-04-30)
エラーコードの表示
給湯器のリモコンでエラーコードが表示されていると、何らかの不具合から給湯器の電源が入らない症状が発生する可能性があります。
室内に設置された給湯器のリモコンにエラーコードが表示されていれば、どこの不具合なのかを知らせてくれます。
よくあるエラーコードは、以下のエラーコードです。
エラー番号 | 原因 | 対処法 |
111.112.113 | 点火不良・立ち消えエラ- | 電源抜き差しで直らければメーカ修理依頼 |
140 | 温度ヒューズの不具合 | しばらくおいて再度使用、完全に直すにはメーカ―にて部品交換 |
多くの家庭で設置されているノーリツ社やリンナイ社の給湯器を使っている方は、以下のリンクでエラーコード一覧をまとめているので参考にしてください。
【ノーリツ社エラーコード】
https://www.chibatoshi.net/noritz-error
【リンナイ社エラーコード】
https://www.chibatoshi.net/rinnai-error
ガスメーター
給湯器の電源が入らない際、大きな地震が発生すると、ガスの供給がストップしている可能性があります。
安全装置が作動したり一定期間ガスを使い続けていると、異常を検知して自動で止まるのです。
ガスの供給がストップしていると、ガスメーターを復帰させる必要があります。
ガスメーターの復帰方法は、以下の通りです。
- 家中のすべてのガス機器を止める
- ガスメーターのランプの点滅を確認する
- ガスメーターの復帰ボタンを押す
- 復帰するまで約3分間待つ
- ランプが消えたことを確認する
- ガス機器に異常が無いかを確認し換気に注意してガス機器を使う
引用元:東京ガス「給湯器の電源がつかない?原因別に対処法を解説」(参照2024-04-30)
給湯器の電源が入らない際の対処法
給湯器で電源が入らないトラブルが発生した際、大まかに以下の症状が起きるでしょう。
- お湯が出ない
- リモコンの表示がおかしい
- 温度がなかなか上がらない
ここで一度、おさらいも兼ねて前述で紹介したチェックポイントをもとに、対処法をステップ式でお伝えします。
- 給湯器のリモコンがつくか確認する
- ブレーカーが落ちていないか確認する
- 給湯器本体の周りを確認する(コンセントや配線など)
- エラーコードが表示されていないか確認する
- ガスメーターを確認する(ガスコンロも点かない際に該当する)
上記ステップで、それぞれ確認しても給湯器の電源が入らない原因がわからない場合、設置されている給湯器メーカーに問い合わせて対処してもらいましょう。
給湯器の電源が入らない症状で自分では解決できないケース
給湯器の電源が入らない場合、自分で解決するケースも当然ありますが、以下のケースでは専門業者による修理や交換が必要です。
- 液晶パネルの故障
- 配管などの経年劣化
- 部品の故障
順番に解説していきます。
液晶パネルの故障
お湯が出ているのに給湯器のリモコンで電源が入らない場合、リモコンの液晶パネルが故障しています。
リモコンの液晶パネルが壊れていると、給湯温度の調整が難しくなるだけでなく、エラーコードが表示されているのに「何番か見えない」症状が発生する恐れがあります。
配線の修理が必要なので、給湯器メーカーなどの専門業者に修理を依頼しましょう。
配管などの経年劣化
給湯器を長く使って経年劣化が起きていると、部品や本体交換を伴う工事が必要なケースがあります。
場合によっては、ネズミがかじったり腐食したりして、急に給湯器の電源が入らないケースもあるのです。
たとえば高温多湿な季節には、配線や配管などに影響を与えやすくなってしまいます。
配線の修理であれば、配線の引き直しで済む可能性もあるので、急に給湯器が使えなくなる前に専門業者に問い合わせましょう。
部品の故障
給湯器の寿命である耐用年数は、10年程度が目安になっていて、使用年数が長ければ長いほど故障のリスクが高まります。
精密機器の1つでもあるので、自分で対処しようとせずに専門業者に問い合わせする必要があります。
給湯器の修理や交換を対応してくれる専門業者については「【結局どこに頼むのがいいの?】給湯器の交換を依頼する業者選びのコツや注意点を解説」で取り上げているので、ぜひ参考にしてください。
まとめ|困った時は専門業者に点検してもらおう
今回は給湯器の電源が入らないトラブルについて、解決法へ導くためのチェックポイントはもちろん、具体的な対処法などを解説しました。
給湯器の電源が入らない症状は、自分で解決できる症状もあれば、何らかの不具合が原因になっていて、専門業者の点検や修理などが伴うケースもあります。
今回取り上げたチェックポイントを確認しても対処できなかったり、自分で対処するのが心配な方は、給湯器メーカーのような専門業者に問い合わせて解決していきましょう。