日々の生活で欠かせない「お湯」は、家庭の光熱費のうち20〜30%が給湯に使われていると言われています。
給湯設備の選び方によって、10年・20年という長期で見ると数十万円の差が出ることも。
「ガス給湯器と電気給湯器、どっちが本当にお得なの?」
「光熱費はどう変わる?」
「設置や使い勝手は?」
そんな疑問を持つ方のために、この記事ではガス給湯器と電気給湯器のコスト・特徴・使いやすさを徹底比較!
ぜひ家庭に合った給湯器選びの参考にしてみてください。
給湯器の種類と特徴をわかりやすく解説
まずは、それぞれの仕組みや特徴を押さえておきましょう。
■ ガス給湯器とは?
都市ガスまたはプロパンガス(LPガス)を燃焼させてお湯をつくるタイプの給湯器です。
【メリット】
- スイッチを入れればすぐにお湯が出る(即湯性◎)
- 湯切れしにくい(連続使用もOK)
- 本体が比較的小さく、省スペースで設置可能
【デメリット】
- ガスの基本料金がかかる
- CO₂排出量が比較的多い
- ガス管・排気ダクトなどの設備が必要
■ 電気給湯器とは?
電気を使ってお湯を沸かすタイプ。なかでも「エコキュート」はヒートポンプ方式で外気の熱を利用する高効率型です。
【メリット】
- 夜間電力を使えば電気代が安い
- CO₂排出が少なく、環境にやさしい
- 火を使わないので安全性が高い
【デメリット】
- タンクのお湯が無くなると湯切れする
- タンク・室外機などのスペースが必要
- 初期費用が高め
ガスと電気、それぞれの給湯器の違いは、以下の記事でもご紹介していますのであわせてご覧ください。
初期費用の比較
導入時の費用は方式によって大きく異なります。
給湯器タイプ | 機器代 | 工事費 | 合計費用(目安) |
ガス給湯器(従来型) | 10〜20万円 | 5〜10万円 | 15〜30万円 |
ガス給湯器(エコジョーズ) | 15〜25万円 | 5〜10万円 | 20〜35万円 |
電気給湯器(エコキュート) | 30〜50万円 | 10〜15万円 | 40〜65万円 |
初期費用重視なら、ガス給湯器の方が安い傾向です。
ただし、長期的な光熱費で逆転することもあるため、トータルで考える必要があります。
ランニングコスト(光熱費)の比較
年間の電気代・ガス代は、給湯器の種類によってかなり変わってきます。
■ 実際の年間光熱費の目安(4人家族の場合)
給湯器タイプ | 年間光熱費(目安) |
ガス給湯器(従来型) | 約7〜8万円 |
ガス給湯器(エコジョーズ) | 約6〜7万円 |
電気温水器(ヒーター式) | 約10万円〜 |
エコキュート(ヒートポンプ) | 約3〜4万円 |
※地域や使用量、電力プランにより前後します。
エコキュートは夜間電力+高効率で、圧倒的にランニングコストが安いです!
たとえば、年間で約3万円の差が出れば、10年間で30万円の差になります。これは初期費用の差を十分にカバーする額です。
寿命とメンテナンスの比較
寿命とメンテナンスについては、どちらが有利でしょうか?
給湯器タイプ | 寿命の目安 | メンテナンス頻度 |
ガス給湯器 | 約10〜15年 | 比較的少ない |
エコキュート | 約10〜15年 | 定期的な点検推奨(タンク・配管など) |
どちらも約10〜15年が目安。ただし、エコキュートは精密機器が多く、故障時の修理費が高くなる場合があります。
設置スペースの違い
続いて、設置スペースについても比較してみましょう。
- ガス給湯器: 小型で省スペース。壁掛けタイプもあり、狭い住宅でも設置しやすい。
- エコキュート: タンク(300〜460L)とヒートポンプの室外機が必要で、ある程度のスペースが必要。戸建て住宅向き。
つまり、 マンションや狭小住宅にはガス給湯器が向いている場合が多いです。
湯切れ・使い勝手の違い
給湯器を選ぶとき、使い勝手も外せません。
ガス給湯器と電気給湯器でそれぞれ比較してみましょう。
比較項目 | ガス給湯器 | 電気給湯器(エコキュート) |
湯切れの可能性 | なし(連続使用OK) | あり(タンク容量を超えるとお湯が出ない) |
お湯が出るまでの速さ | 早い(即時加熱) | やや遅い(タンクの湯を使用) |
追い焚き・温度調節 | 得意 | 機種による(やや時間がかかる) |
「急な来客でシャワーが連続」「寒い時期に大量のお湯を使う」家庭には、ガスが向いているかもしれません。
こんな人にはコレがおすすめ!
ガス給湯器と電気給湯器、それぞれどういう人に向いているかを比較してみましょう。
ガス給湯器がおすすめな人
- 初期費用をなるべく抑えたい
- 狭小住宅やマンション住まい
- 冬にたくさんのお湯を使う
- 湯切れしたくない人
電気給湯器(エコキュート)がおすすめな人
- オール電化住宅にしたい
- 光熱費を抑えたい(長期的に)
- 夜間電力が安いプランを使っている
- 戸建てで設置スペースに余裕がある
ガスと電気、結局どっちが安い?
では、いったいガス給湯器と電気給湯器ではどちらが安いのでしょうか?表で比較してみましたのでご参照ください。
比較項目 | ガス給湯器 | エコキュート |
初期費用 | ◎ 安い | △ 高め |
ランニングコスト | △ 高め | ◎ 安い |
寿命 | ◯ | ◯ |
湯切れリスク | ◎ なし | △ あり |
設置スペース | ◎ コンパクト | △ 広め必要 |
トータルコストで見ると、「エコキュート」が有利なケースが多いですが、設置条件や使い方によっては「ガス給湯器」のほうが適していることもあります。
あなたにとっての「最適解」は?
どちらが「正解」かは、以下の3つの視点で判断するとスムーズです。
1. 経済性(初期費用 vs 光熱費)
- 初期コストを抑えたい → ガス給湯器
- 長期的に光熱費を抑えたい → エコキュート
2. ライフスタイル
- シャワーやお風呂を頻繁に使う → ガス給湯器
- 使用時間がある程度決まっている → エコキュート
3. 住まいの条件
- 設置スペースが限られている → ガス給湯器
- 庭や外壁にタンク設置が可能 → エコキュート
【まとめ】選ぶ前にシミュレーションを!
給湯器の選び方は、家庭によって正解が異なります。
選ぶ前にやるべきことは以下のとおりです。
- 現在の電気・ガス料金を把握する
- 使用人数と1日あたりの湯量を確認する
- 設置スペースや工事の可否をチェックする
- 10年スパンでの光熱費を試算してみる
ネット上の「給湯器費用シミュレーター」などを使えば、年間の光熱費や10年スパンでのコストが試算できるサービスもあります。購入前に一度チェックしてみると安心です。
給湯器は「どちらが人気か」ではなく、あなたの生活スタイルと住環境に合っているかが大切。光熱費は毎月かかるものだからこそ、一度しっかり比較して、後悔のない選択をしたいですね。
本記事が、あなたの給湯器選びの参考になれば幸いです。もしガス給湯器が最適だと思われる場合は、弊社都市ガスサービスにお気軽にご相談ください!