レンジフード(換気扇)の吸い込みが弱くなると、料理中の煙や油が部屋に広がり、においやベタつきが残りやすくなります。放っておくと、キッチン周りの汚れが加速するだけでなく、レンジフード自体の寿命短縮にもつながるため、早めの原因把握と対策が重要です。
この記事では、レンジフードの吸い込みが弱くなる主な原因と、家庭でできる改善策、さらにプロに依頼すべきケースまで徹底解説します。ぜひ最後までご覧ください!
1. レンジフードの吸い込みが弱いとどうなる?

まず、吸い込み不足がどんな不調を招くのかを理解しておきましょう。
- 部屋に煙・油が広がる
カーテンや壁紙に油煙が付着し、黄ばみやベタつきが進行します。 - キッチンのにおいが残る
換気が追いつかず、調理後も嫌なにおいが滞留します。 - 湿気がこもってカビやすくなる
湿気が排出されないと、結露やカビの原因に。 - レンジフード内部の汚れが加速する
フィルターやファンに油が溜まり、さらに吸い込みが弱くなる悪循環に。
こうしたトラブルを防ぐためにも、原因をひとつずつ確認していきましょう。
2. 吸い込みが弱い主な原因7つ

レンジフードの吸い込みが弱い原因として、どのような原因が考えられるのかを解説します。主な原因は以下の7つです。順番に解説します。
原因1:フィルターの油汚れが詰まっている
もっとも多い原因がこれです。フィルターに油とホコリが固着すると空気の通り道が塞がれ、吸い込みが大幅に低下します。
チェックポイント
- フィルターが茶色・黒く汚れている
- 触るとベタベタしている
- 水につけても油膜が浮く
原因2:ファン(シロッコファン)の汚れ
フィルターだけでなく、ファンに油が溜まり羽根の隙間が塞がると、回転効率が落ちて吸い込みが弱くなります。
こんな症状が出る
- 運転音が重くなる
- 吸っているようで吸っていない
- ファンの回転が不規則
原因3:ダクト(排気経路)の詰まり
レンジフードはダクトを通って屋外へ排気します。このダクト内に油やホコリがたまったり、鳥の巣やゴミが入っていたりすると、空気が抜けにくくなります。
特に注意したいケース
- 築10年以上の住宅
- 忙しくてレンジフード掃除が数年できていない
- 屋外の排気口が防虫網で塞がっている
原因4:家の換気環境の問題(負圧)
意外と見落とされがちなのが「家の気圧バランス」。
気密性の高い住宅では、外気が入ってこないと空気が外に出ていけず、レンジフードの吸い込みが弱まります。
チェック方法
- 換気扇を回したときに窓を少し開けると吸い込みが良くなる → 負圧の可能性が高い
原因5:レンジフードの経年劣化
モーターやファンが劣化していると、十分に回転せず吸い込みが弱くなります。
耐用年数
- 一般的なレンジフードの寿命:10〜15年
原因6:設置不良・ダクトの施工不備
新築やリフォーム後に吸い込みが弱い場合、以下の可能性があります。
- ダクトが長すぎる
- 曲がりが多すぎる
- 排気口の取り付けが悪い
- レンジフードの能力がキッチンに合っていない
原因7:ファンの回転方向が間違っている(稀)
DIY交換や施工ミスで、ファンが逆回転しているケースもあります。
稀ですが、吸い込みが極端に弱い場合は疑う価値ありです。
3. 今日からできる改善策8つ

では、レンジフードの吸い込みが弱くならないために、日頃からどのような対策をしておけばよいのでしょうか。改善策は以下の8つです。
改善策1:フィルターをしっかり洗う
フィルターが油で詰まっている場合、これだけで吸い込みが劇的に改善されます。
おすすめのつけ置き方法
- 40〜60℃のお湯をためる
- 重曹(またはアルカリ性洗剤)を溶かす
- 30分〜1時間つけ置き
- 歯ブラシなどで軽くこする
改善策2:ファン(シロッコファン)を分解して洗浄
少し手間はかかりますが、効果は絶大です。
注意点
- つけ置きは必ず取扱説明書の指定に従う
- 強アルカリ洗剤は素材を痛める場合があるので注意
- 無理に力を入れて曲げない
改善策3:窓を少し開けて空気の流れを作る
負圧が原因の場合、窓を1〜5cm開けるだけで吸い込みが改善します。
改善策4:屋外の排気口をチェックする
以下を確認してみましょう。
- 排気口のフードが汚れで塞がっていないか
- 防虫網にホコリが積もっていないか
- 風よけの羽根がきちんと開いているか
改善策5:ダクト内部の清掃(業者推奨)
自力で清掃するのは難しいため、プロへ依頼するのが一般的です。
10年以上掃除していなければ、一度点検してもらうと安心です。
改善策6:フィルターを定期的に交換
古い金属フィルターは油が取れにくくなり性能が落ちます。
汚れが落ちなくなったら買い替えを検討しましょう。
改善策7:整流板がある場合は外して確認
整流板の裏側が油でドロドロになっていると、空気の通りが悪くなります。
改善策8:レンジフードの買い替えを検討
以下の場合は買い替えが最も効率的です。
- 10年以上使用している
- モーター音がおかしい
- 掃除しても吸い込みが改善しない
- 最近の省エネモデルへ替えたい
レンジフードの清掃方法は以下の記事でもご紹介しています。ご自身で清掃する際はぜひご参照ください。
4. プロに依頼すべきケース

家庭での掃除では改善しない場合、以下のケースはプロ清掃がおすすめです。
- ファンの汚れがひどく固着している
- ダクト内部に異常がある
- 異音がする・振動が強い
- 施工不良の可能性がある
- 分解が怖い、または構造が複雑
プロ清掃では、専用洗剤と高温洗浄によって家庭では落とせない汚れまでしっかり除去してくれます。
5. 吸い込みを弱くしないための予防策

レンジフードの吸い込みが弱くならないために、以下の予防策をしておきましょう。
(1)月1回のフィルター掃除
軽い汚れなら中性洗剤で十分。
(2)3〜6ヶ月に1回のファン清掃
特に揚げ物をよくする家庭は早めの周期がおすすめ。
(3)調理中は必ずレンジフードを使用
点火と同時にON、調理後も10分ほど回すと効果的。
(4)油汚れが固まりにくい温水調理を意識
低温の油ほどファンに付着しやすくなるため、加熱時間を見直すのも有効です。
【まとめ】レンジフードを長く快適に使うために知っておきたいこと

レンジフードの吸い込みが弱い原因には、フィルターやファンの汚れ、ダクトの詰まり、家の換気環境などさまざまな要因があります。まずは掃除と排気経路のチェックを行い、それでも改善しない場合はプロに点検・清掃を依頼すると確実です。
レンジフードはキッチンの空気を守る重要な設備。定期的なメンテナンスで吸い込み性能を維持し、快適なキッチン環境を保ちましょう。もしレンジフードの吸い込みにお悩みであれば、弊社「都市ガスサービス」にお気軽にご相談ください。


