シャワーを使っていると、突然お湯が熱くなったり、逆に水のように冷たくなったりする──。
このような給湯器の温度が安定しない症状は、実は多くの家庭で起きている身近なトラブルです。
特に入浴中に温度が急変すると、不快なだけでなく、やけどや体調不良の原因になることもあります。「しばらく様子を見よう」と放置してしまう方も多いですが、原因によっては悪化するケースもあるため注意が必要です。
この記事では、給湯器の温度が安定しない主な原因から、家庭でできる確認方法、症状別の対処法、修理や交換を検討すべき目安までをくわしく解説します。
給湯器の温度が安定しないときによくある症状

まずは、よく見られる具体的な症状を確認してみましょう。
- シャワー中に突然お湯が熱くなる・冷たくなる
- お湯を使っている途中で水になる
- 蛇口を少しひねると水、強く出すとお湯になる
- 冬場や寒い日に症状が出やすい
- キッチンと浴室を同時に使うと温度が乱れる
これらの症状は、給湯器本体の故障とは限らず、使用環境や周辺設備が影響していることも少なくありません。
原因① 出湯量が少なく、給湯器が安定燃焼できていない

給湯器には「最低作動水量」が設定されており、一定以上の水が流れないと燃焼が継続できません。
そのため、以下のような使い方をしていると、燃焼が止まったり再開したりを繰り返し、温度が不安定になります。
- シャワーの水量を極端に絞っている
- 節水シャワーヘッドを使用している
- 蛇口を少しだけ開いて使っている
節水のつもりが、逆に快適性を損なっているケースは意外と多いです。
原因② 給湯器の号数(能力)が家庭の使用量に合っていない

給湯器には「16号」「20号」「24号」などの号数があり、同時に使えるお湯の量が異なります。
家族が増えたり、ライフスタイルが変わった結果、給湯能力が不足していると、温度変化が起こりやすくなります。
特に以下の状況では注意が必要です。
- シャワーを使いながらキッチンでもお湯を使う
- 浴槽へのお湯張り中にシャワーを使う
この場合、故障ではなく能力不足の可能性があります。
原因③ ガス供給量の低下・不安定

給湯器はガスの燃焼によってお湯を沸かします。
そのため、ガスの供給が不安定になると、火力が安定せず、温度も安定しません。
- 他のガス機器を同時に使用している
- ガスメーターの安全装置が作動している
- 古い住宅でガス配管が細い
一時的にガスが遮断されている場合もあるため、ガスメーターの確認も重要です。
原因④ 給湯器内部の部品劣化や汚れ

給湯器を長年使用していると、内部部品は少しずつ劣化します。
特に影響が大きいのは以下の部品です。
- 熱交換器(汚れ・スケールの付着)
- 温度センサー
- 電装基板
これらが正常に動作しないと、給湯器が正確に温度を制御できず、急激な温度変化が起こります。使用年数が10年以上の場合、修理か交換を検討する時期に入っています。
寿命かな?と感じたら、こちらの記事も参考にしてみてください。
原因⑤ 水圧の変動・給水環境の問題

水圧が安定しないと、給湯器も安定して作動できません。
- マンションで同時使用が多い時間帯
- 古い配管による詰まり・サビ
- 冬場の凍結による水量低下
特定の時間帯や季節だけ症状が出る場合は、水圧が関係している可能性が高いです。
また、秋~冬にかけて、給湯器はトラブルも起きやすくなります。寒い時期の給湯器の症状については以下の記事でもご紹介していますので、あわせてご参照ください。
原因⑥ サーモスタット混合水栓の故障

温度不安定の原因が、給湯器ではなく蛇口側にあることもめずらしくありません。
浴室のサーモスタット混合水栓が劣化すると、お湯と水のバランス調整がうまくいかなくなります。
- 温度設定が効かない
- 少し触るだけで温度が変わる
- 10年以上同じ水栓を使用している
この場合、水栓交換だけで改善するケースも多いです。
季節別|冬に温度トラブルが起きやすい理由

特に冬場は、以下の理由から温度不安定が起きやすくなります。
- 水温が低く、給湯器に負荷がかかる
- 凍結防止運転が頻繁に作動する
- 水圧が下がりやすい
「冬だけ症状が出る」という場合は、完全な故障ではない可能性もあります。
自分でできるチェック・応急対処法

業者を呼ぶ前に、次の点を確認してみましょう。
- シャワーの水量をやや多めにする
- 他のガス機器を止めて使う
- 別の蛇口でも同じ症状が出るか確認
- リモコン設定温度を見直す
- ガスメーターを確認・復帰操作を行う
これで改善すれば、軽度な使用環境の問題と考えられます。
放置するとどうなる?温度不安定を放置するリスク

温度が安定しない状態を放置すると、
- 突然の高温によるやけど
- 給湯器の完全停止
- 修理費用の増加
といったリスクがあります。小さな異変でも、早めの対応が重要です。
修理・交換を検討すべき判断基準

以下に当てはまる場合は、専門業者への相談をおすすめします。
- 使用年数が10年以上
- エラーコードが頻繁に表示される
- 症状が徐々に悪化している
- 異音・異臭を伴う
無理に使い続けると、突然お湯が使えなくなる可能性があります。
【まとめ】給湯器の温度が安定しないときは原因の切り分けが重要

給湯器の温度が安定しない原因は、
水量・ガス・能力不足・部品劣化・水栓・配管など多岐にわたります。
設定や使い方の問題であればすぐ改善できますが、経年劣化が原因の場合は修理や交換が必要です。安全で快適な入浴環境を守るためにも、「おかしいな」と感じた時点で原因を確認し、早めに対処しましょう。
もし給湯器の温度が安定しなくて不安に感じられた際は、「都市ガスサービス」にお気軽にお問い合わせください。



