夏が終わり、涼しさが心地よい秋がやってきました。この時期、つい油断してしまいがちなのが「給湯器のメンテナンス」です。実は、給湯器が最も壊れやすくなるのが「秋」だと言われていることをご存知でしょうか?
「まだ寒くないし大丈夫」と思っていると、冬本番に突然お湯が出なくなる…そんなトラブルに見舞われることも。この記事では、給湯器が秋に壊れやすい理由と、故障を防ぐために秋のうちに確認すべき点検項目をくわしくご紹介します。ぜひ最後までご覧ください!
【1】なぜ“秋”に給湯器が壊れやすいのか?
そもそも、なぜ「秋」に給湯器が故障しやすいのでしょうか?
その理由を3つ、紹介します。
1-1. 夏の間に給湯器が“サボり癖”をつけてしまう?
夏場は冷たいシャワーで済ませることも多く、給湯器の使用頻度が大幅に減ります。この期間中、機器内部では以下のような現象が進行する可能性があります。
- 配管内に水が長時間滞留し、サビやスケール(湯垢)が発生
- 湿気がこもりやすく、電装基板の劣化やカビの発生
- 長期間の未使用により、可動部品が固着や劣化
つまり、使っていない間にも、給湯器は密かにダメージを蓄積しているのです。秋になって再び使用を始めたタイミングで、こうした隠れたダメージが表面化し、突然の故障へとつながることがあります。
1-2. 気温差による部品の収縮と劣化
秋は日中と朝晩の気温差が大きくなります。この温度変化が、給湯器の中のゴムパッキンや金属部品に負荷をかけます。特に以下のようなパーツが影響を受けやすいです。
- ゴムパッキン:温度変化でひび割れ、硬化 → 水漏れの原因に
- 熱交換器:膨張と収縮を繰り返し、微細な亀裂が生じることも
- 電装部品:結露によるショートや腐食
気温が10度以上変わると、こうしたパーツへのダメージは想像以上に大きくなります。
1-3. 使用再開による突然の負荷
気温が下がり、「久しぶりにお湯を出してみた」という秋口。いきなり高温の設定で使用することにより、給湯器に一気に負荷がかかります。これが原因で下記のようなトラブルが発生することもあります。
- バーナーが点火しない
- お湯の温度が安定しない
- 異音・異臭が発生する
給湯器は“精密機器”でもあるため、急な稼働は慎重に行う必要があります。
【2】給湯器トラブルの実例|秋~冬にかけての“あるある”
ここで、実際によくあるトラブル事例を3つ紹介します。
■ ケース1:お湯がぬるい・出ない(温度不安定)
原因:熱交換器の詰まり、センサーの異常、ガス圧低下
対策:機器内部の洗浄、センサーの交換、ガス会社との確認が必要
■ ケース2:給湯器から異音がする
原因:送風ファンやバーナーの異常、経年劣化
対策:ファンの点検、部品の交換、基板チェック
■ ケース3:給湯中にリモコンにエラー表示
原因:配管詰まり、電装部のトラブル、着火不良
これらのトラブルは、予兆を早期に発見していれば回避できたケースも少なくありません。
【3】冬本番前に確認!給湯器点検チェックリスト10項目
ここからは、実際にご家庭で確認できる点検項目を10個ご紹介します。
1. 外観に異常がないか?
- サビ、ひび割れ、変形
- 排気口がゴミや蜘蛛の巣で詰まっていないか
- 雨水がたまっていないか(排水不良)
2. 異音・異臭がしないか?
- 点火時に「ボッ」という異音
- 使用中にガス臭、焦げた臭い、金属臭
3. 給湯時の温度が安定しているか?
- 急に冷たくなる・熱くなる
- 設定温度と実際の温度に差がある
4. お湯の出方・水圧は正常か?
- シャワーや蛇口からの出が弱い
- 水量が途中で減る、途切れる
5. リモコンの表示や反応は正常か?
- 表示が薄い、操作が遅い
- エラーコードの有無を確認
6. 使用時の電気・ガス使用量が急増していないか?
- 異常なガス代・電気代の上昇は、効率の悪化や故障の兆候
7. 配管の保温材が劣化していないか?
- 冬場の凍結を防ぐため、保温材の破れ・ズレをチェック
8. 給湯器の設置場所の風通しは良好か?
- ゴミや落ち葉で塞がれていないか
- 周囲30cm以上に物を置かないのが理想
9. 給湯器の製造年・使用年数を確認
- 10年以上使用している場合は、点検 or 買い替えの検討
10. 年に1度の専門業者による点検を検討
- プロの視点で内部の見えない部分をチェック
- 費用は数千円〜だが、修理代や生活への影響を考えれば安価
【4】給湯器の寿命と交換時期の見極め方
では、給湯器の寿命と交換時期はどのように見極めればよいのでしょうか。
以下に寿命の目安期間と交換時期のサインを記載しましたのでご参照ください。
■ 給湯器の寿命目安
種類 | 寿命の目安 |
ガス給湯器 | 約10年〜15年 |
電気温水器 | 約10年〜20年 |
エコキュート | 約10年〜15年 |
■ 交換のサイン
- 修理を3回以上繰り返している
- 部品の生産が終了している(メーカーHPで確認可)
- 冬に毎年トラブルが起こる
交換は急な出費に思えるかもしれませんが、古い機器を使い続けて突然壊れる方がコストもストレスも大きいです。
給湯器の寿命と交換サインについては、以下の記事でもくわしくご紹介していますので、ぜひご参照ください。
【まとめ】秋は給湯器点検のゴールデンタイム
「給湯器が壊れるのは冬」と思われがちですが、実はトラブルの“種”は秋に潜んでいることが多いのです。
秋のうちにセルフチェックや点検を行っておけば、冬本番に慌てる必要はありません。とくに以下のような方は、早めの対応をおすすめします。
- 使用年数が10年以上
- 冬に向けて家族の入浴頻度が増える
- 過去に冬場の故障で困った経験がある
気づいたその日が点検のベストタイミングです。この秋は「給湯器チェック」を忘れずに、安心・快適な冬を迎えましょう。
もしトラブルが確認された場合は、早めの点検・メンテナンスをおすすめします。交換のご相談も承っていますので、給湯器でお困りのことがありましたら弊社「都市ガスサービス」にお任せください。