エコキュートは省エネ性に優れ、電気代も抑えられる家庭用給湯システムとして広く普及しています。
しかし、「○○メーカーはすぐ壊れた」「5年で故障した」という声がネット上に散見され、不安に思う方も多いのではないでしょうか。
このような情報を見て、「買ってすぐ壊れるなら意味がない」「どのメーカーを選べば安心なの?」と悩むのは当然のことです。
ただし実際には、「壊れやすさ」はメーカーだけに起因するものではなく、使い方・設置環境・施工品質・メンテナンス状況など、複数の要因が影響しています。
本記事では、エコキュートが壊れやすいと思われる原因や正しい選び方について解説します。ぜひ最後までご覧ください!
「エコキュート」とは?壊れやすい仕組みなのか
エコキュートは、ヒートポンプ技術で空気中の熱を利用してお湯を沸かす給湯システムです。
従来の電気温水器やガス給湯器よりも効率が良く、光熱費削減にも貢献します。
ただし構造は複雑で、以下のような部品が含まれます。
- ヒートポンプユニット(室外機)
- 貯湯タンク
- 制御基板・センサー類
- リモコンユニット
こうした精密機器が多いため、設置環境や使い方が悪ければ寿命を縮めやすいのも事実です。
つまり「壊れやすい製品」ではなく、「壊れやすくしてしまう条件がある」と言えます。
【実例】エコキュートが壊れやすくなる5つの要因
では、実例をもとに、エコキュートが壊れやすくなる要因を5つご紹介します。
- 設置場所が過酷(沿岸部・寒冷地・直射日光)
- 施工業者の腕にバラつきがある
- メンテナンス不足で寿命が縮む
- 家族構成や使い方と機種が合ってない
- そもそも「壊れた」と思い込んでいるだけのケース
順番に解説します。
① 設置場所が過酷(沿岸部・寒冷地・直射日光)
エコキュートは屋外設置が基本。潮風や雪、砂埃、直射日光などの影響を受けやすい場所では、サビ・凍結・高温障害などのリスクが高まります。
とくに以下の地域では注意が必要です。
- 海沿い:塩害による腐食が加速
- 北海道・東北・山間部:配管の凍結による故障リスク
- 日差しが強い南向き:ヒートポンプの過熱停止
対応策としては、耐塩害仕様・寒冷地仕様のモデルを選ぶ、または設置場所に日除けやカバーをつけることが効果的です。
② 施工業者の腕にバラつきがある
「同じ製品を買ったのに、うちはすぐ壊れた…」という口コミには、施工不良の影響が潜んでいることがあります。
よくある施工ミスの例:
- 傾いた場所に設置され水がたまる
- 配管の接続が甘く、水漏れや空気混入
- 室外機が通気性の悪い場所に設置され熱暴走
つまり、業者選びの良し悪しが製品寿命に直結します。
見積もり時は、「自社施工かどうか」「施工実績の件数」も確認しましょう。
③ メンテナンス不足で寿命が縮む
エコキュートは“メンテナンスフリー”ではありません。
定期的なケアが必要です。特に以下のような作業は重要です。
- リモコンのエラー履歴確認
- 貯湯タンクの湯垢・スケール清掃
- フィルター・配管の定期的な洗浄
- 年1回程度の点検・動作チェック
このようなケアを怠ると、内部部品が劣化しやすく、センサー誤作動や運転停止が発生することも。
④ 家族構成や使い方と機種が合っていない
給湯量や使用パターンに合わない機種を選んでしまうと、タンク容量不足や過剰負荷でエラーが起きやすくなります。
たとえば、
- 4人家族なのに370Lタイプを選んでしまう
- 夜間にお湯を大量に使うのに深夜電力設定にしていない
- 高温足し湯を繰り返しすぎてヒートポンプに負荷
「メーカーに不具合がある」わけではなく、「使い方に無理がある」ケースです。
⑤ そもそも「壊れた」と思い込んでいるだけのケース
「お湯が出ない=故障」と思いがちですが、実はそうではないパターンもあります。
よくある“誤解”の例:
- 外気温に応じた自動制御で停止しているだけ
- ブレーカーが一時的に落ちただけ
- リモコンの表示がエラーではなく節電モードだった
これらは説明書や業者のサポートで解決するケースも多く、安易に「このメーカーは壊れやすい」と判断するのは早計です。
故障かな?と思った場合は、以下の記事を参考に確認してみてください。
【重要】本当に壊れにくいエコキュートを選ぶためのチェックリスト
エコキュート選びで失敗しないためには、メーカーだけでなく「機能」「環境対応」「販売・施工体制」など総合的に見る必要があります。
まずは以下の点をチェックしましょう。
チェック1:環境対応モデルを選ぶ
- 【寒冷地】→ 凍結防止ヒーター付き
- 【沿岸部】→ 耐塩害・防サビ仕様
- 【日当たり】→ 直射日光対策・通気性の良い場所に設置
チェック2:施工実績が豊富な業者を選ぶ
- 自社施工か?
- アフターサービスの有無(故障時の対応)
- レビュー・クチコミの評価
格安業者の中には保証対象外の施工を行う場合もあるため、注意が必要です。
チェック3:延長保証やサポート体制があるか
- メーカー保証:5年
- 延長保証:10年まで対応してくれる業者も
- 部品供給・修理対応が早い体制が整っているか
故障に備えるには、保証体制の確認が必須です。
チェック4:定期的に点検・メンテナンスを実施
- 年1回の点検をする
- 使用説明書に沿ったセルフメンテナンスも行う
- 「少しでも異常があれば」早めに連絡を
機器は“使い方”次第で寿命が5年にも15年にもなり得ます。
エコキュート導入時に後悔しないためのチェックリストは以下の記事でもくわしく紹介しています。ぜひご参照ください。
「壊れやすいメーカー」を探すより、壊れにくい使い方を意識しよう
「エコキュート 壊れやすいメーカー」で情報収集している方の多くは、
- 高額な買い物で失敗したくない
- 長く安心して使いたい
- 自宅に合った機種を選びたい
という不安を抱えているはずです。
ですが、壊れにくさはメーカー名だけでは判断できません。
実際にトラブルを避けるためには、
- 設置環境に合ったモデルを選ぶ
- 信頼できる施工業者に依頼する
- 正しく使い、定期的に点検・清掃する
といった基本に忠実な行動が、結果的に長寿命・低トラブルにつながります。
【補足】「壊れたかも?」と思ったらまず確認すべき3つのこと
- リモコンにエラーコードが表示されていないか
→ 取扱説明書 or メーカーサイトでエラー内容を確認 - ブレーカーが落ちていないか・再起動してみたか
→ 通電リセットで回復することも - 給湯モードの設定やタンク残湯量は適切か
→ 節電モードで給湯温度が下がっているだけの可能性あり
「焦って修理を呼んだら、操作ミスだった…」というケースも少なくありません。
【まとめ】安心して長く使うために 正しい選択とメンテナンスを
エコキュートは、環境にも家計にも優しい素晴らしい給湯機器です。
「壊れやすいかどうか」は、製品そのものだけでなく、選び方と使い方次第で大きく変わります。
焦って“メーカー名”だけで判断せず、総合的な視点で納得できる選択をすることが、後悔しない購入の第一歩です。
もしエコキュートの設置・交換をされる際、選択に迷ったら、弊社「都市ガスサービス」にお気軽にご相談ください。