省エネ性能に優れ、環境にもお財布にも優しいと人気の「エコキュート」。電気代の節約や災害時の非常用水としても注目され、近年ますます多くの家庭で導入が進んでいます。しかし、導入後に「思っていたのと違った」「もっと調べてから設置すればよかった」と後悔する声も少なくありません。
この記事では、エコキュート導入前に知っておきたいポイントをチェックリスト形式でまとめました。これを読めば、導入の判断に迷っている方も、自信をもって設置に踏み切ることができるでしょう。
1. エコキュートの仕組みを理解していますか?
エコキュートは、ヒートポンプ技術を使って空気中の熱を集め、お湯を沸かす給湯システムです。従来の電気温水器やガス給湯器と比べて電気使用量が少なく済むのが最大の特徴です。
- 空気の熱を利用=効率的で環境にやさしい
- 深夜電力を利用=電気代が安くなる可能性大
ただし、ヒートポンプは外気温に影響されやすいため、寒冷地では能力が落ちる可能性があります。寒冷地用のモデルもあるので、地域に応じて選びましょう。
2. エコキュートの設置費用を把握していますか?
エコキュートは、工事費用も含めて50万円前後で導入することができます。
タンク容量が大きかったり、性能が高かったりすると、50万円を超える場合もあるので注意が必要です。
また、ガス給湯器からエコキュートに取り替える場合には、電気工事が必要になります。
エコキュートからエコキュートに交換するよりも、ガス給湯器からエコキュートに交換する方が電気工事分の費用がかかってしまうので注意しましょう。
3. 設置スペースは確保できますか?
エコキュートは「貯湯タンクユニット」と「ヒートポンプユニット」の2つの機器から構成されており、設置にはある程度のスペースが必要です。
- 貯湯タンク(300〜460L):幅約60cm、奥行約70cm、高さ約180cm前後
- ヒートポンプユニット:室外機のようなサイズ感
設置には、地面が平らでしっかりした基礎が必要です。ベランダや狭い敷地には不向きな場合もあるので、設置業者に事前に現地調査をしてもらいましょう。
4. 家族構成に合った容量を選んでいますか?
エコキュートの容量は、家族の人数や使用量に応じて選ぶことが重要です。エコキュートのタンク容量は、主に370L以下・370L・460L・550L〜560Lです。
以下は目安としてご参照ください。
- 2人世帯:300Lクラス
- 3~4人世帯:370Lクラス
- 5人以上:460Lクラス
エコキュートは一度お湯切れを起こすと、再度お湯を作るのに時間がかかります。お湯切れで時間を取られないためにも、タンク容量は余裕を持って選びましょう。
また、毎日湯船に浸かる人と、毎日シャワーだけの人とでは、使用するお湯の量が大きく異なります。湯船に浸かるのが好きな人は、大きめのタンク容量を選ぶと良いでしょう。
逆に大きすぎると電気代・設置費が無駄になる場合もありますので、今後の家族構成の変化も考慮しましょう。
5. 電気契約プランは見直しましたか?
エコキュートは深夜にお湯を沸かして昼間に使う仕組みなので、深夜電力がお得なプランに切り替えると節約効果が高まります。
主な電力会社のプラン例:
- オール電化向け「スマートライフプラン」
- 夜間割引がある「時間帯別料金プラン」
エコキュートの導入時には、電力会社のプラン変更もセットで検討するのがオススメです。
6. ランニングコストとメンテナンスは確認しましたか?
エコキュートは初期費用こそ高いものの、長期的にはランニングコストが抑えられると言われています。
しかし注意点として、
- 貯湯タンクやヒートポンプは定期的なメンテナンスが必要
- 10〜15年で交換時期が来ることが多い
また、水道水の水質や設置環境によって劣化が早まることも。導入時に保証内容やメンテナンス費用について、きちんと説明を受けておきましょう。
エコキュート使用時のランニングコストについては以下の記事でも紹介していますのでご参照ください。
7. 停電・災害時の対応は想定していますか?
エコキュートは電気で動くため、停電時には基本的にお湯を作れません。しかし、タンク内に貯めたお湯は使用可能なため、非常用の生活用水として活用できます。
・非常用取水栓がついているモデルを選ぶ
・取水方法を家族で確認しておく
・定期的にお湯を入れ替えて清潔に保つ
災害リスクの高い地域では、災害対策の一環としてエコキュートを導入する家庭も増えています。
8. 補助金や自治体の支援制度を調べましたか?
エコキュートの設置には、国や自治体から補助金が出る場合があります。2025年現在、以下のような支援制度が見られます。
- 省エネ機器導入補助金(国の補助金)
- 各自治体の独自補助(例:最大10万円)
申請には条件や期限があるため、導入前に必ず確認&申請を。補助金の対象機種や施工業者も指定されていることが多いので注意しましょう。
2025年の補助金制度については以下の記事でも記載しています。ご参照ください。
9. 信頼できる施工業者に依頼していますか?
エコキュートの設置には専門知識と経験が必要です。価格だけで選ばず、以下のような点をチェックしましょう。
- 施工実績が豊富か
- アフターフォローがあるか
- 補助金申請のサポートがあるか
- 設置後のトラブル対応(漏水・騒音など)
口コミや評判を調べ、複数社で相見積もりを取ることをおすすめします。
【まとめ】導入で後悔しないためのポイントは「事前の情報収集と準備」
エコキュートは省エネで経済的な給湯システムですが、設置環境や使用条件によってはデメリットも存在します。導入後に「こんなはずじゃなかった」とならないためには、事前に情報を集めて、自分の生活スタイルに合った選択をすることが大切です。
チェックリストをもう一度おさらいしましょう。
- 仕組みを理解しているか
- 設置費用を把握しているか
- 設置スペースが確保できるか
- 容量が家族構成に合っているか
- 電気契約プランを見直したか
- メンテナンス・寿命を理解しているか
- 停電・災害時の対応ができるか
- 補助金制度を確認したか
- 信頼できる施工業者を選んだか
これらをチェックしたうえで、エコキュートを賢く導入し、快適でエコな暮らしを手に入れましょう!この記事が、あなたの後悔しないエコキュート選びに役立てば幸いです。