家庭でお湯を使っていて、急にお湯が出なくなった経験はありませんか。
実は発生した場所や症状によって、自分で解決できる可能性があるのです。
しかし中には「機器を壊したくないから自分で解決するのは心配」「そもそもどこを見ればいいかわからない」など、気になっている方もいるのではないでしょうか。
今回は上記の心配を解決するために、お湯が出ない原因と自分でできる解決法を解説します。
お湯が出ない原因の特定方法4選
お湯が出ない症状が見られた際、家庭に導入している機器のうち「どの機器が故障(または不具合)」なのかを特定する必要があります。
お湯が出ない原因を特定するには、下記の症状から特定できます。
- お湯も水も出ない
- 一部の蛇口からお湯が出ない
- どこからもお湯が出ない
- ガスコンロも使えない
順番に解説するので参考にしてください。
1.お湯も水も出ない
すべての蛇口をひねっても、お湯だけでなく水も出ないのが確認できれば、原因は水道側にあると考えられます。
主な原因は以下の4つです。
1.断水
アパートやマンションのような集合住宅の場合、設備点検の可能性あり。
2.凍結
急に寒くなった日になりやすい症状です。
3.元栓や止水栓の閉栓
どちらも閉まっていると、お湯も水も出なくなります。
4.給湯器の給湯元栓
給湯元栓(別名「給湯バルブ」)を完全に開くと解決します。
それぞれの細かい解決法は、後述で解説していきます。
2.一部の蛇口からお湯が出ない
一部の蛇口からお湯が出ない場合、以下のケースが考えられるでしょう。
- 台所や洗面所からお湯は出るのにお風呂場のお湯が出ない
- お風呂場の水が出て追い焚きもできるのにお湯は出ない
上記の逆で、お風呂場でお湯が出ているケースなども考えられますが、多くの場合で水栓の設定温度を改善すれば解決できる可能性があります。
しかし、設定温度の問題ではなかった場合、蛇口(水栓)側の不具合が考えられます。
故障していると、交換工事が必要になるので注意しましょう。
3.どこからもお湯が出ない
どこからもお湯が出ない場合、給湯器側の不具合が原因になっている可能性があります。
考えられる原因は、以下の3つです。
1.水抜き栓の詰まり
詳しくは後述しますが、給湯器の取扱説明書に記載されています。
2.給湯器の設定温度
設定温度が低かったりリモコンの電源が切れていたりする可能性あり。
3.ガスの遮断
震度5以上の大きな地震を含めた自然災害やガス漏れが発生した際、ガスが遮断されます。
どこからもお湯が出ない場合、大半が給湯器側の問題なので、1度取扱説明書を確認してみましょう。
4.ガスコンロも使えない
お湯が出ないだけでなく、ガスコンロも使えない場合、ガスメーターやガスの元栓を確認すれば解決できる可能性があります。
まずガスメーターが原因でガスコンロも使えない場合は、ガスメーターの復帰作業で解決します。
ガスメーターのランプ横に復帰ボタンがありますが、復帰作業は必ず取扱説明書を参照のうえ取り掛かりましょう。
ほかにも、ガスの元栓が閉まっているとガスコンロも使えなくなります。
たとえば賃貸マンションのような集合住宅は、引っ越してきた初日にガスの元栓が閉まっているケースが大半です。
契約しているガス会社に連絡し、解決してもらいましょう。
プロパンガスの残量が減っているケースも、家庭によっては考えられる原因です。
プロパンガスの残量は目視で確認できないので、契約しているガス会社への連絡して解決してもらいましょう。
ガスコンロ側のトラブルについては「ガスコンロの火が点かない時どうしたら?原因や自分でできる対処法を解説」でも詳しく解説しているので参考にしてください。
お湯が出ない症状で考えられる主な原因6選と自分でできる解決法
お湯が出ない症状が起きてしまった際、以下の6つが原因になっている可能性があります。
- 給湯器の故障や不具合を起こしている
- ガスの元栓が閉まっている
- 給湯配管からの水漏れや凍結が起きている
- 蛇口や水栓側でトラブルが起きている
- 止水栓が閉まっている
- 台風や地震などの災害でお湯が出なくなっている
それぞれの解決法も紹介していくので、参考にしてください。
1.給湯器の故障や不具合を起こしている
前述で取り上げたように、どこからもお湯が出ない場合は給湯器の不具合が考えられます。
そもそもお湯は、給湯器から生み出した熱をもとに水をお湯に沸かしている仕組みになっているのです。
給湯器が故障していたり何らかの不具合があったりすると、お湯を沸かせなくなってしまいます。
「故障したかも」「業者に連絡しなくちゃ」と、焦ったり不安になったりする前に、以下のポイントをチェックしましょう。
- コンセント
- エラーコード
- フィルターの詰まり
給湯器はお湯を沸かす仕組みを作動させるタイミングなどで、電気を使っています。
コンセントが外れていると、給湯器が作動しません。
室内に設置された給湯器のリモコンにエラーコードが表示されていれば、どこの不具合なのかを知らせてくれます。
多くの家庭で設置されているエラーコードは、以下のリンクから参考にしてください。
フィルターの詰まりを解決する方法は「給湯器から水は出るのにお湯が出ない原因とは?状況別の対処法や確認箇所を徹底解説!」で詳しく解説しているので参考にしてください。
2.ガスの元栓が閉まっている
ガスの元栓が閉まっていると、給湯器の燃料であるガスを供給できなくなります。
ガスの供給が止まると、必然的にお湯を沸かせなくなってしまいます。
つまり、どこからもお湯が出ない症状が起きるのです。
ガスの元栓が配管に対して、横になっているとガスの元栓が閉まっている状態です。
一方で縦になっていれば開栓になるので、縦になっているか確認しましょう。
ガスの元栓が開いているのに、お湯が出ない場合はガス会社に連絡する必要があります。
3.給湯配管からの水漏れや凍結が起きている
一部の蛇口でお湯が出ない場合、給湯配管の水漏れを起こしている可能性があります。
給湯配管の水漏れは、配管が損傷していて肝心な蛇口までお湯を届けられなくなってしまうのです。
たとえば凍結対策が不十分で、給湯配管の凍結が原因になっている可能性が挙げられます。
寒冷地では十分な凍結対策が搭載されているケースがありますが、比較的暖かい地域では、自分で凍結対策しなければいけません。
凍結対策の機能が搭載されている給湯器でも、寒い日の翌朝には水も出ない可能性もあります。
無理やり水やお湯を出そうとすると、給湯配管が破裂してしまう可能性があるので注意しましょう。
給湯配管が破裂するような症状が原因で水漏れが起きてしまうと、配管の交換工事が必要です。
具体的な対策は「給湯器が凍結したらどうすれば?凍結の予防策や対処法などを解説」で取り上げているので参考にしてください。
4.蛇口や水栓側でトラブルが起きている
特定の蛇口で水もお湯も出ない場合、蛇口や水栓側のトラブルが起きている可能性があります。
引用元:モノタロウ
上記画像のようなバルブカートリッジが故障していると考えられます。
そもそも蛇口のバルブカートリッジとは、水量や水温の調整をレバーの連動で操作する部品です。
つまりバルブカートリッジが故障していると、水温が調整できなくなるので、結果としてお湯が出なくなるのです。
バルブカートリッジの交換は、工具が必要になるので心配な方は専門業者に交換依頼をしましょう。
5.止水栓が閉まっている
止水栓が閉まっていると、お湯が出ないだけでなく水も出ません。
元栓が閉まっていても同様の症状になるので、以下の場所を確認しましょう。
設置場所 | 止水栓の場所 |
洗面所 | 洗面台の下 |
台所 | 台所の流し台下 |
しかしシングルレバーやサーモスタット混合栓は、蛇口をつなげるクランク部分に止水栓が付いています。
マンションのような集合住宅であれば玄関横、戸建住宅であれば敷地内の地面に埋められている場合も考えられるので、生活環境によって異なると把握しておきましょう。
仮に止水栓を開けても改善がみられなかった場合、給湯配管の水漏れが考えられます。
前述で取り上げた水漏れの解決法をもとに対処しましょう。
6.台風や地震などの災害でお湯が出なくなっている
台風や地震などの災害が起きると、ガスメーターがガスの供給を遮断している可能性があります。
震度5以上の大きな地震が起こると、ガスメーターの安全装置が作動します。
ガスの供給が遮断されると、お湯が出ないだけでなくガスコンロも点きません。
水道管の損傷が起きている可能性があるので、災害後は点検するのがおすすめです。
しかし、ほかの家庭でも同様の症状が起きている可能性が高く、解決まで時間がかかるでしょう。
ほかにも台風や豪雨などで、不純物が配管に入り込む可能性もあります。
台風や豪雨のあとは断水する恐れもあるので、ニュースや自治体の情報をもとに判断しましょう。
お湯が出ない症状が起きた際のよくある質問
ここからはお湯が出ない症状におけるよくある質問を取り上げます。
今回、3つの疑問を解決していきます。
- 自分で解決しない場合どうしたらいいの?
- マンションと戸建で解決法の違いはあるの?
- お湯が出ない日のお風呂はどうするべき?
自分で解決しない場合どうしたらいいの?
ここまで紹介した原因や解決法を試しても解決しなかった場合、何らかの機器を修理したり交換したりしなければいけません。
たとえば給湯器の不具合だった場合、修理か交換工事になり、専門業者による対応が必須になります。
- 給湯器販売会社
- 給湯器メーカー
- ガス会社
上記のような業者が給湯器を交換してくれます。
特徴やおすすめしたい方の一覧を表でまとめたので参考にしてください。
業者名 | 特徴 | こんな方におすすめ |
給湯器販売会社 | 割引率が比較的高い | 安心感と価格のバランスさを重視している方 |
給湯器メーカー | 製品知識が豊富 | 専門性を重視している方 |
ガス会社 | ガス関連のプロフェッショナル | 安心感を重視している方 |
それぞれ業者の細かい特徴については「【結局どこに頼むのがいいの?】給湯器の交換を依頼する業者選びのコツや注意点を解説」で解説しているので参考にしてください。
マンションと戸建で解決法の違いはあるの?
マンションの場合、賃貸マンションでも分譲マンションでも管理会社への連絡が必須です。
賃貸マンションの場合、所有者が管理会社などの立場にある業者が所有しています。
一方で分譲マンションの場合、所有者が住民で業者の依頼も住民で連絡するのが大半ですが、どちらにしろ管理会社への連絡が必要です。
なぜならマンション内に関係者以外の人が入るので、セキュリティーの観点から連絡しなければいけないのです。
所有者が住民にある分譲マンションと戸建の違いは、管理会社へ連絡するかの違いになるので、業者を選ばなければいけません。
前述で紹介した記事にあわせて「マンションの給湯器を交換する流れとは?賃貸と分譲の違いや費用などを解説」でも解説しているので参考にしてください。
お湯が出ない日のお風呂はどうするべき?
お湯が出ない日、お風呂に入れなくなってしまいますが、お湯が出ない期間も症状によって異なります。
即日で当日対応が済むケースを除き、1日中お湯が使えなくなった場合は、以下の方法で代用しましょう。
銭湯を利用する
近くに銭湯があって修理期間が短い場合におすすめの代用案です。
しかし、人数が多かったり修理期間が長い場合は、金銭的な負担がかかってしまうのが難点です。
親戚や知人のお風呂を借りる
迷惑がかからないよう、事前に連絡を取りながら時間を決める必要があります。
湯沸器を利用する
「湯沸かし太郎」のような湯沸器を浴槽に入れて作動するだけで代用できる方法です。
しかし、水からお湯にするには、機種によりますが相当な時間がかかってしまいます。
夏場は3時間ほどかかり、冬場は7時間以上かかります。
また、本体価格も30,000円前後なので、購入するならしっかりと考えたうえで購入しましょう。
まとめ|お湯が出ない際は焦らず原因を特定しよう!
今回はお湯が出ない症状について、給湯器の不具合以外でも考えられる原因と解決法を解説しました。
お湯が出ない際、どこでトラブルが起きているかを確認するためにも、発生場所の特定が必要です。
ガスの元栓や止水栓が閉まっていてお湯が出ないなら、開栓すれば即時解決するでしょう。
しかし給湯器や給湯配管、蛇口などの器具が不具合を起こしている場合、専門業者による修理や交換が必要です。
原因を特定して適切な業者に依頼して解決していきましょう。