給湯器

【リフォームする方必見】お風呂で使う給湯器種類とは?交換で失敗しない選び方を解説

各家庭でお湯を沸かす際に欠かせない給湯器は、追い焚きや自動湯張りなどの機能以外にも注目すべきポイントがあります。

長い期間使う給湯器なので、初期費用やランニングコストなどが気になる方もいるのではないでしょうか。

本記事ではお風呂の給湯器について、ガスや電気など熱源の違いによるメリットやデメリット、仕組みの違いや給湯器選びで失敗しないコツなど解説します。

お風呂で使う給湯器の種類

お風呂で使う給湯器の種類は、熱源の違いによって異なります。

熱源とはお湯を温めるエネルギーを指しています。

熱源の違いによって異なる性能や初期費用、ランニングコスト(光熱費)など、順番に解説するので参考にしてください。

1.ガス給湯器

ガス給湯器は、都市ガスやプロパンガスを使ったガス熱でお湯を沸かす給湯器です。

日本において普及している数が多いのがガス給湯器で、使う時に使いたい分だけお湯を沸かすシステムになっています。

メリット

・比較的故障が少ない

・お湯を作るスピードが早い

・本体価格が比較的安めで初期費用を抑えられる

・必要な分だけお湯を作るためガスを無駄にしない

デメリット

・運転音が大きいので設置場所に困る

・冬場に凍結してしまうと破損するリスクがある

・ランニングコストが比較的高い(特にプロパンガス)

詳しくは後述しますが、ガス給湯器はお湯の使用量にあった給湯器を選ばないと、不具合が発生してしまう可能性があります。

お湯を使う頻度や量が少なく、初期費用を抑えたい方におすすめの給湯器です。

2.電気給湯器

電気給湯器(別名「電気温水器」)は、電気を使ってお湯を沸かす給湯器です。

電気料金が午後11時〜朝7時が割安になっている電気料金プランが多いため、夜間の間にお湯を沸かし、貯水タンクに貯めておくシステムになっています。

メリット

・排気しないため環境に優しい

・耐用年数が他の給湯器より長い

・ガスや灯油の配管工事がいらない

・電気料金プラン次第でランニングコストを抑えられる

デメリット

・初期費用が高額になる

・シャワーの勢いが弱い

・貯水したお湯がなくなると沸かし直しが必要になる

・寒い地域では熱効率が悪くなるため設置不可の場所がある

・貯水タンクとヒートポンプユニットを設置するため設置場所に困る

電気料金プランをオール電化にしている家庭が多くなった影響もあり、電気給湯器を設置する家庭も増えてきています。

一方で本体価格の高さや電気料金プラン次第でランニングコストも割高になる可能性があるので、上手く使いこなさなければいけません。

3.石油給湯器

石油給湯器(別名「灯油ボイラー」)は、石油(灯油)を使ってお湯を沸かす給湯器です。

給湯能力の高さは他の給湯器より優れていて、寒い地域でも効率よくお湯を沸かすので、寒さが厳しい寒冷地で人気です。

メリット

・故障しにくい

・本体価格が比較的安い

・給湯能力が高いため寒冷期でも使える

・燃料費が安いためランニングコストを抑えられる

デメリット

・石油(灯油)が燃料なので特有の臭いがする

・ホームタンクを設置するため場所の確保が必要になる

・タンクの燃料がなくなるとお湯が作れなくなってしまう

・タンクに入っている燃料を定期的に確認しなければいけない

石油給湯器は、石油(灯油)が空になったままだとお湯を作れないので、定期的な残量確認が手間になってしまいます。

定期的に石油(灯油)を配達してくれる業者と契約しておくのがおすすめになる給湯器です。

4.ハイブリッド給湯器

ハイブリッド給湯器は、ガス・電気・石油など複数の熱源を使ってお湯を沸かす給湯器です。

たとえば少量のお湯を沸かしたい場合は電気を使い、お風呂のお湯張りではガスを使うなど、熱源を選べるのが最大の特徴です。

ハイブリッド給湯器の種類

名称 熱源
エコワン 電気+ガス
エネファーム
エコウィル
ガス+石油+発電

メリット

・湯切れを気にする必要がない

・ランニングコストを抑えられる

・停電してもガスでお湯を沸かせられる

・二酸化炭素の排出量が少ないため環境に優しい

デメリット

・本体価格や設置費用が高い

・-10度になると使えなくなってしまう

・お湯を使う量が少ない家庭ではメリットがない

・本体サイズがガス給湯器の2倍なので設置場所に困る

臨機応変にお湯を沸かす給湯器で人気な反面、他の給湯器と比較すると普及している数は少ない給湯器です。

本体サイズが大きいため、マンションのような建物だと設置できない可能性があります。

5.エコ給湯器

エコ給湯器は、地球温暖化の要因である二酸化炭素を削減できる給湯器です。

電気式の「エコキュート」とガス式の「エコジョーズ」それぞれの特徴を解説していきます。

エコキュート

電気式のエコキュートは、電気給湯器のように熱源が電気そのものになっている給湯器ではありません。

電気を使って汲み取った「空気中の熱」が熱源になっています。

汲み取った空気中の熱を圧縮して熱を作り出す仕組みになっています。

メリット

・災害時にタンクに貯まった水を利用できる

・電気給湯器と比較すると消費電力は約3分の1に抑えられる

・オール電化や深夜電力などのプランによっては経済的になる

デメリット

・初期費用が他よりも高い

・本体サイズが大きいため設置場所に困る

・使いすぎると湯切れが発生する恐れがある

・日中に湯切れが発生すると電気代が割高になる

エコキュートはランニングコストが抑えられるメリットはありますが、初期費用や故障時の交換費用が高額になってしまうのがデメリットです。

十分な設置場所やお湯の使用量など、よく確認してから選ぶべき給湯器です。

エコジョーズ

ガス式のエコジョーズは、排気熱を再利用してお湯を沸かす給湯器です。

お湯を沸かす熱効率もガス給湯器よりもよく、二酸化炭素の排出量を抑えられる環境に優しいのが特徴です。

メリット

・湯切れの心配がない

・従来のガス給湯器よりガスの使用量が少ない

・本体サイズがコンパクトなので設置場所に困らない

デメリット

・配管工事が必要になる

・従来のガス給湯器よりも初期費用が高い

コンパクトサイズで高い給湯能力があり、ガス代を抑えられるのが魅力の1つです。

お風呂の給湯器における仕組みの違い

お風呂で使う給湯器には熱源の違いだけでなく、お湯を沸かす仕組みの違いがあります。

「貯湯式」と「瞬間式」それぞれの違いについて順番に解説していきます。

1.貯湯式

貯湯式とは、タンクにあらかじめ水を貯めておき、お湯を沸かす仕組みです。

主に電気給湯器で使われている仕組みで、深夜や早朝にお湯を沸かし、タンクに貯めておきます。

日中使うお湯を貯めておく仕組みになっているので、電気代削減を目的に活用されています。

しかし、貯湯式は前述で解説したようにタンクのお湯がなくなってしまう「湯切れ」が発生してしまうと、お湯が使えなくなるので注意が必要です。

新しくお湯を沸かすには時間がかかってしまうのがデメリットに感じてしまいます。

タンク内で減圧されたお湯を流す仕組みになっているので、シャワーの勢いが弱いますが、ランニングコストを抑えられるのが貯湯式の特徴です。

2.瞬間式

瞬間式とは、お湯を使いたい時に使う分だけお湯を沸かす仕組みです。

家庭用のガス給湯器や石油給湯器のほとんどが瞬間式になっています。

給湯栓を開くと給湯器で加熱する仕組みが作動し、瞬時にお湯を沸かしてくれます。

貯湯式とは異なり湯切れの心配がなく、水道圧の勢いのままお湯が流れるのでシャワーの水圧も強いのが特徴です。

しかしランニングコストが高いので、エコジョーズを選ぶ際は後述するポイントに注意しておくのがおすすめです。

お風呂の給湯器選びで失敗しないためのポイント4選

お風呂で使う給湯器を選ぶ際、今使っている給湯器と同じ給湯器を選ぶのが基本です。

リフォームも兼ねて新しい給湯器に交換しようと考えている方にとって、使用環境に合った給湯器を設置したいと考えるものです。

ここからはお風呂の給湯器選びで失敗したくない方に向けて、以下のポイントについて解説していきます。

  • 設置する方法
  • コストやプラン
  • 重視したい機能
  • 家族人数にあった号数

1.設置する方法

給湯器を設置する際、「戸建て住宅」か「マンションなどの集合住宅」なのかの違いで選ぶ必要があります。

戸建て住宅

設置タイプ 設置方法
屋外壁掛けタイプ 外壁に固定して設置

給湯器の下側から配管が接続される

屋外据置タイプ 屋外の床に据え置きで設置

給湯器の側面から配管が接続される

屋内壁掛けタイプ 屋内に給湯器本体を設置

排気管から外に排気する仕組み

風呂釜タイプ 浴槽に隣接して設置

マンションなどの集合住宅

設置タイプ 設置方法
ベランダ壁掛けタイプ ベランダの壁に固定して設置

給湯器の下側から配管が接続される

PS標準設置タイプ 玄関脇にあるパイプシャフト内に設置

外から給湯器本体が見えている

PS扉内設置タイプ 玄関脇にあるパイプシャフト内に設置

扉で給湯器を覆うようになっている

上記のような違いがあるので、まずは自宅に設置されている状況を見ておきましょう。

2.コストやプラン

給湯器は前述で解説したように、種類によって初期費用やランニングコストが異なります。

以下、給湯器にかかる初期費用やランニングコストの相場をまとめたので参考にしてください。

熱源 初期費用(本体交換のみ) ランニングコスト(年間)
※4人暮らしを想定
ガス給湯器 33,000〜66,000円 74,000〜110,000円
電気給湯器 500,000〜600,000円 100,000円前後
石油給湯器 200,000〜500,000円 64,000円前後
ハイブリッド給湯器 650,000〜720,000円 43,000円前後
エコキュート 900,000〜1,100,000円 22,000〜33,000円
エコジョーズ 38,500〜71,500円 63,000〜92,000円

あくまで相場になりますが、契約しているガスや電気の料金プランによって価格は変動します。

使用する時間帯、つまりライフスタイルに合った給湯器を選びましょう。

3.重視したい機能

お風呂で使う給湯器にも、追い焚き機能以外にも以下のような機能があります。

機能名 機能の内容
自動湯張り 設定した温度や水位まで自動で湯張りする
自動保温 お湯の温度が下がると自動で追い焚きする
追い焚き配管洗浄 お湯を抜いた際に綺麗なお湯を配管に流す
自動足し湯 お湯の量が減った際に自動でお湯を足す
自動焚き上げ 人が入ったのを感知してお湯を自動で焚き上げする
温水暖房対応 床暖房や浴室暖房に暖房温水を供給する
低温出湯 半身浴や洗顔に最適といわれている32〜35度のお湯を作る

追い焚き機能がない給湯器にも、大きく分けて2種類あります。

浴槽にお湯を貯める際に給湯栓を手動で開閉してお湯を貯める「給湯専用タイプ」と、蛇口からお湯を出して自動に貯める「高温水供給タイプ」の2つです。

ライフスタイルに合った重視したい機能から選ぶのもおすすめです。

4.家族人数に合った号数

給湯器を選ぶ際に注目しておきたいのが、家族人数に合わせた「号数」です。

給湯器の号数とは、給湯器のサイズを指していて、給湯能力に比例しています。

家庭用の給湯器であれば、以下の号数が目安になります。

号数 家族人数 給湯能力
16号 1人 年間通してシャワーが問題なく使える
20号 2人 シャワーと給湯を同時にできる
24号 4人〜 冬場でもシャワーと給湯を同時にできるほどの力がある

今使っている給湯器で不便に感じていない方は、給湯器を交換する際も同じ号数を選ぶのがおすすめです。

家族構成が大きく変わる場合や使い方によって異なるので、まずは1日に使うお湯の量を見極めておく必要があります。

まとめ|お風呂の給湯器はライフスタイルで決めよう

本記事ではお風呂の給湯器について、種類や仕組みの違いや給湯器選びで失敗しないコツを解説しました。

お風呂の給湯器は、ガスや電気など熱源の違いやタンクにお湯を貯めておく「貯湯式」や使いたい時に使いたい分お湯を沸かす「瞬間式」で異なります。

これからリフォームなどを検討している方にとって、日常生活において欠かせないお湯を効率よく、安く使いたいと考えるものです。

追い焚き機能以外にも多くの機能があり、号数によって給湯能力が異なるので、まずはライフスタイルの振り返りから初めていきましょう。

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