店舗ビジネスを始める際、業務用エアコンの選定は非常に重要です。エアコンは快適な空間づくりの要であり、顧客満足度やスタッフの働きやすさに直結します。
しかし、選び方を間違えると運用コストが膨らんだり、思うように効果が発揮されなかったりするリスクがあります。
本記事では、業務用エアコンの選び方と導入時の注意点についてくわしく解説します。ぜひ最後までご覧ください!
業務用エアコンを選ぶポイント4点
業務用エアコンは場所によって適している種類が異なるので、特に広さと目的に合ったタイプを選ぶことが大切です。適切なタイプの業務用エアコンを選べないと、さまざまな問題を起こしかねません。
性能から業務用エアコンを選ぶ方法について4つのポイントをご紹介します。店舗ビジネスを始められる方で業務用エアコンにお悩みの方は、参考にしてみてください。
- 店舗の広さや天井高に合った能力(馬力)を選ぶ
- 用途に応じたタイプを選ぶ
- エネルギー効率を考慮する
- メンテナンス性を確認する
ポイント別に具体的に解説していきます。
業務用エアコンを選ぶポイント①:店舗の広さや天井高に合った能力(馬力)を選ぶ
業務用エアコンで使われる馬力とは、エアコンの能力やパワーを示す単位です。家庭用エアコンでは、「kW」の単位が使われますが、業務用エアコンの能力は「馬力」で表されます。
1.5~12馬力まであり、1馬力で約11m²の広さに適応しています。店舗の広さ、天井高、断熱性能、窓の数などを考慮して、適切な馬力を選ぶことが重要です。
業務用エアコンの冷房能力を選定する際は、設置場所の床面積と天井高から算出する基本的な計算式を基準にします。一般的な目安として、床面積1㎡あたり0.04~0.053馬力が必要とされています。
ただし、設置する場所や環境によって必要となる馬力が異なるため、あくまで目安として捉えておきましょう。
業務用エアコンを選ぶポイント②:用途に応じたタイプを選ぶ
業務用エアコンは設置する場所の面積を考慮して選ぶのが一般的ですが、設置する場所が同じ面積でも、そこにある機材や人数、環境や用途などによって適している業務用エアコンが異なります。
主な例として、業種別に見てみましょう。
【飲食店】
店内で調理を行う場合には店舗内の室温が上昇します。特に鉄板焼きや鍋料理を提供するお店では、客席に熱を発する調理道具が置かれているため、室温が高くなりがちです。この場合は、通常推奨されているよりも大きい馬力を使用したほうが、温度のムラをなくすことができます。
また、カウンタータイプだと発生した熱が客席に直に影響するため馬力が強いエアコンが必要ですが、お客さまから寒いと言われてしまう可能性もあります。温度や風向きを簡単にコントロールできる業務用エアコンを選びましょう。
【一般商店】
小規模商業の店舗などでは、照明などの影響を考慮する必要があります。
そして家電や生鮮食品を扱う店舗では、特に正確な負荷計算をしてエアコンを選ぶことが重要です。特に冷蔵・冷凍ショーケースを設置している生鮮食品売り場では、温度が下がりやすいため、通常よりも小さい馬力を使用したほうがよいでしょう。
【理美容院】
理美容院ではドライヤーやパーマ機器、温水などを使うことで室温が上昇します。
カットにパーマ、カラーなどで長時間滞在もめずらしくないため、心地よいサロンであるために気流コントロールは欠かせません。
業務用エアコンを選ぶポイント③:エネルギー効率を考慮する
省エネ性能の高いエアコンを選ぶことで、長期的なランニングコストを抑えられます。
製品には「APF(通年エネルギー消費効率)」が表示されており、数値が高いほどエネルギー効率が良いとされています。初期費用が多少高くても、省エネ性能の高いモデルを選ぶのがおすすめです。
業務用エアコンを選ぶポイント④:メンテナンス性を確認する
エアコンは定期的な清掃や点検が必要です。
フィルターの取り外しが簡単か、メンテナンス費用が高額でないかなども事前に確認しておきましょう。また、メーカーや業者のアフターサポート体制が充実しているかも重要です。
業務用エアコン導入時の注意点5点
店舗ビジネスを始める際は、導入時の注意点も押さえておく必要があります。ポイントは以下の5点です。
- 専門業者への相談
- 配線や配管のチェック
- 店舗の特性に合った設置
- 法規制の確認
- 適切な保守契約
具体的に解説していきます。
業務用エアコン導入時の注意点①:専門業者への相談
業務用エアコンは専門的な知識が必要です。
店舗のレイアウトや業態、来客数に応じた適切な提案をしてくれる専門業者に相談することをおすすめします。見積もりは複数社に依頼し、比較検討するのが良いでしょう。
業務用エアコン導入時の注意点②:配線や配管のチェック
エアコンの設置には、専用の電源や配管が必要です。
店舗の改装や新築時にこれらのインフラ整備を行うかどうかを事前に確認しましょう。設置場所の選定や配管ルートの確保が不十分だと、施工費用がかさむ可能性があります。
業務用エアコン導入時の注意点③:店舗の特性に合った設置
業態や店舗のレイアウトに応じた設置場所の選定も重要です。
たとえば、飲食店では調理器具からの熱を効率よく除去できる場所、美容室では乾燥を防ぐ場所、物販店では商品に直接冷気が当たらない場所などが理想的です。
業務用エアコン導入時の注意点④:法規制の確認
エアコン設置に伴う法的な規制もチェックしておきましょう。
建物や地域によっては外装への配管設置が制限される場合があります。また、音や振動に関する規制も確認が必要です。
業務用エアコン導入時の注意点⑤:適切な保守契約
業務用エアコンは家庭用に比べて高価であり、故障時の修理費用も高額になることがあります。メーカーや販売業者が提供する保守契約に加入することで、長期的な安心感が得られます。
業務用エアコンのタイプ4つ
業務用エアコンには、主に3つのタイプに分けられます。店舗の業態によってエアコンのタイプを選ぶことも重要です。
- 天井カセット型
- 天井吊型
- 壁掛け型
- ダクト式
具体的に解説します。
業務用エアコンのタイプ①:天井カセット型
天井に埋め込むタイプで、店舗のデザイン性を損なわず、360度吹出しで全体を均一に冷暖房できます。天井面を有効活用できる飲食店や美容室、オフィスや店舗フロアなどでよく採用されています。
業務エアコンのタイプ②:天井吊型
広範囲の空調に対応するタイプです。設置コストを抑制可能で、工場や倉庫などの広範囲の空調に対応しています。
業務用エアコンのタイプ②:壁掛け型
比較的小型の店舗や会議室など、設置スペースが限られている場合に適しています。既存建物への設置が容易です。コストを抑えたい場合にも有効です。
業務用エアコンのタイプ③:ダクト式
空調を見えない形で配管し、複数の部屋を効率よく冷暖房するタイプです。大規模店舗や複数のエリアがある場合に適しています。
【まとめ】専門性のある業務用エアコンの導入は信頼ある業者に依頼しよう!
業務用エアコンの選定には、熱負荷計算など、専門的な知識が必要です。また、業務用エアコンの設置では、設置方法や配管の選定、電気工事の要否、メンテナンス性など、考慮すべき点が多岐にわたります。
そのため、購入を検討する際は、経験豊富なエアコンの専門業者に相談することをおすすめします。プロの視点から、自社のニーズに合った最適な業務用エアコンを提案できる業者に依頼しましょう。
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