エコキュートは、空気中の熱を利用するヒートポンプ技術で効率的にお湯を沸かせる、省エネ給湯機として知られています。特に「深夜電力」と組み合わせることで、昼間の高い電気代を回避し、光熱費を大幅にカットできるのが大きな魅力です。
しかし「エコキュート=電気代が安い」と安心して何も工夫せずに使っていると、かえって電気代が高くなる原因にもなります。節電効果を最大限に発揮するためには、使い方の工夫や設定の見直しが不可欠です。
この記事では、エコキュートをお使いの方や、これから導入を検討している方に向けて、深夜電力を活かした節約術を5つのポイントで解説します。ぜひ最後までご覧ください!
1. 湯量設定の見直しで「無駄な沸き上げ」を防ぐ
エコキュートは基本的に「貯湯式」なので、タンク内にあらかじめ沸かしたお湯を溜めておく構造です。このとき、お湯の使用量に対してタンクの設定湯量が多すぎると、余ったお湯の保温に無駄な電力が消費されます。
具体例
- 4人家族の一般的な1日の使用量は約400〜500Lですが、設定が「満タン(550L〜)」のままになっていると、毎日100L以上の保温が必要です。
- 保温にかかる電力量は、タンクの断熱性能によって異なりますが、年間で数千円〜1万円以上の差が出ることもあります。
対策
- 使用人数やライフスタイルに合わせて「少なめ」「標準」「多め」などの設定を見直しましょう。
- 学習機能付きモデルの場合は、「自動最適化」に任せるのもおすすめです。
- 定期的に「前日の湯切れ状況」などをモニターして、湯量調整を続けることが重要です。
2. 「節約モード」「学習機能」をフル活用する
多くの最新エコキュートには、以下のような省エネ運転機能が搭載されています。
- 節約モード:湯温や沸き上げ量を控えめにし、最小限の電力で運転する。
- 学習機能:家庭の給湯パターンを学習して、無駄な沸き上げを避ける。
- おまかせモード:自動的に最適な運転スケジュールを調整する。
これらをオフにしている家庭も多いですが、有効にすることで約10〜20%の電気代節約効果が期待できます。
ポイント
- 機種ごとのリモコンで設定画面を開き、「運転モード」を確認する。
- 夏と冬では湯量や保温性能も異なるため、季節ごとに見直すのがベストです。
- 小まめな切り替えが面倒な場合は、常時「節約モード」で運用しても問題ありません。
3. 深夜電力の時間帯に「沸き上げ」を集中させる
エコキュートの本領を発揮させるには、"時間帯別電力契約(スマートライフプランなど)"と併用することが必須です。
深夜時間帯(例:23時~翌7時)は、日中よりも電気料金が約1/3〜1/2になるため、この時間にお湯を沸かすよう設定することで、大幅な節約が可能です。
例:
- 東京電力の「スマートライフS」では、深夜帯の1kWhあたり料金は約17円、昼間は約30円〜と約2倍の差。
- 昼間に追いだきを行うと、せっかくの節約が無駄になります。
設定方法
- リモコンの「タイマー機能」で、沸き上げ開始時間を「深夜時間帯」に固定。
- 「昼間の沸き上げ補助(昼間沸き増し)」がONになっていないかチェック。
- 設定後、2〜3日様子を見て、お湯切れが起こる場合は時間帯を微調整。
エコキュートの電気代のランニングコストについては以下の記事でもご紹介しています。参考にしてみてください。
4. 「使う時間をまとめる」ことで保温エネルギーを削減
エコキュートは、使用するたびにタンク内の温度が下がります。日中にこまめに少量ずつお湯を使うと、タンクが頻繁に温度調整を行うため、余分な電力が発生してしまいます。
効率のよい使い方
- 家族の入浴時間をなるべく連続させる。
- 食器洗いは朝と夜など、2回程度にまとめる。
- 洗濯・掃除などの給湯をまとめて行う。
こうした「お湯の使用集中」は、タンクの温度低下を最小限に抑え、日中の電力使用をゼロに近づける工夫になります。
5. 定期メンテナンスで「省エネ性能を長く維持」
見落としがちですが、エコキュートの効率はメンテナンス状態によって大きく変わります。
特に、タンク内の水垢やヒートポンプの熱交換器の汚れは、効率低下の原因です。
メンテナンスの基本
- フィルター清掃:月に1回は取り外して水洗いする。
- 追いだき配管の洗浄:1〜2か月に1回、市販の洗浄剤で。
- タンク内の排水・清掃:年に1回、メーカー推奨の手順で実施する。
- 専門業者の点検:3〜5年に1回はプロの点検・クリーニングを検討する。
こうしたメンテナンスを怠ると、電気代が数千円単位で上昇したり、10年未満で買い替えが必要になるリスクもあります。
エコキュート節電のコツは「設定」「習慣」「メンテナンス」
では、5つのコツを表でまとめましたので、ご参照ください。
コツ | 実施内容 | 期待できる効果 |
湯量設定の最適化 | 家族に合った設定に変更 | 年間数千円の節約 |
節約モードの活用 | 自動・おまかせ機能の利用 | 最大20%の省エネ |
沸き上げ時間の調整 | 深夜電力に集中 | 電気料金が半分以下に |
使用タイミングの工夫 | 給湯をまとめて使う | タンク温度低下を防ぐ |
定期メンテナンス | フィルター清掃など | 高効率を長期間維持 |
よくある質問(FAQ)
- エコキュートの電気代が高くなる原因は?
A. 湯量設定が多すぎる、沸き上げ時間が昼間になっている、保温が多い、メンテナンス不足などが主な原因です。 - 節約モードにするとお湯が足りなくならない?
A. 基本的には自動学習機能が補正してくれるので問題ありませんが、不足する場合は少しだけ設定を上げて対応しましょう。 - どのくらい節電効果があるの?
A. 世帯構成や使用状況によりますが、年間1〜3万円の節約も珍しくありません。
【まとめ】小さな工夫が、大きな節約とエコに繋がる
エコキュートは、初期費用こそ高いものの、日々の使い方次第でその効果は大きく変わります。節電意識を持って正しく使えば、10年以上の長期間で数十万円の差が出ることも。
今回ご紹介した「5つのコツ」を取り入れることで、無理なく・我慢せずに賢く節約ができます。ぜひ今日から、あなたの家庭でも実践してみてください。